研究課題/領域番号 |
13672169
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
倉林 仁美 昭和大学, 歯学部, 講師 (20255889)
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研究分担者 |
諸橋 富夫 昭和大学, 歯学部, 講師 (10146871)
岩瀬 正泰 昭和大学, 歯学部, 講師 (50193743)
斉藤 茂 昭和大学, 歯学部, 講師 (20195986)
関 健次 昭和大学, 歯学部, 講師 (00245820)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | ビーグル幼若犬 / 上顎急速拡大 / 低出力超音波照射 / 骨ラベリング剤 / 骨形成 / 歯の後戻り / 低出力超音波パルス / 骨成熟 / あと戻り / 保定 / 口蓋縫合部 / 新生骨形成 / ラベリング |
研究概要 |
本研究に用いた雄性ビーグル幼若犬においては6頭すべてに上顎の急速拡大を行った。その際、犬歯間距離ならびに第三前臼歯間距離の経時的変化を計測したところ、低出力超音波振動装置を用いた実験群では、非照射の対照群に比べて後戻りが少ない傾向が示され、その傾向は犬歯間より第三前臼歯間において顕著であった。しかしながら光学顕微鏡所見(H-E染色)において、組織レベルでの口蓋縫合部及び新生骨に両者の明確な差異は認められなかった。また、反射電子像所見において、拡大終了後12週における両者の口蓋縫合部の走行は異なっていたがその幅に明確な差異はみられなかった。一方蛍光顕微鏡所見において、実験群は対照群に比べて口蓋縫合部により活発なラベリング像が認められ、骨標識剤によってラベルされた領域は実験群の方が明らかに広いことが判明した。 したがって、実験群は非照射の対照群に比べ拡大した歯の後戻りが少なく、また両群の縫合部の幅に差が見られないことから、実験群において拡大された部位は新生骨に置き換えられ維持されていることが示唆された。また、実験群では蛍光顕微鏡像により広範囲な骨標識剤によるラベリングが観察されていることにより、活発な骨の形成が起こっていたであろうと推測される。 さらに、低出力超音波照射により口蓋縫合部の新生骨形成時に起こる複数の細胞反応において効果があり、骨形成の促進が起こったと推測できる。 以上のことより、低出力超音波パルス照射により上顎急速側方拡大後の新生骨形成促進効果があり、拡大後の後戻りを阻止した可能性が示唆された。 ただし、本研究では実験動物数が少ないことや、拡大を行っていない真の対照群が無い、あるいは縦断的な実験が行えていないなどの欠点が挙げられ、今後更なる追加実験による研究が不可欠であると考察している。
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