研究課題/領域番号 |
13672251
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
黒田 義弘 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (90093236)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / プリオン病 / パーキンソン病 / αヘリックス / βシート / アミロイド線維 / オリゴペプチド / CDスペクトル |
研究概要 |
1.Aβ、プリオン蛋白(PrP)、およびNACのαヘリックス構造を安定化させることの出来るオリゴペプチドをこれらのアミノ酸配列から選び出す指標を見つけるために、Naチャネル関連ペプチドをモデルペプチドとして、オリゴペプチドによるモデルペプチドのαヘリックス構造の安定化作用を検討した。モデルペプチドおよびオリゴペプチド共に疎水性アミノ酸残基を有すること、またオリゴペプチドの両端は塩基性アミノ酸リジンの場合が最も効果的にαヘリックス構造を安定化させた。 2.Aβのアミノ酸配列の中から種々のオリゴペプチドを合成してAβとの相互作用を検討した。Ac-ELVFFAKK-NH_2だけが特異的にAβのαヘリックス構造を不安定化すると共に、βシート構造の割合を増大させAβの凝集を促進した。 3.PrPの中からPrP(129-154)およびPrP(192-213)領域を選び、種々のオリゴペプチドとの相互作用を検討した。Ac-EFGNK-NH_2とAc-EYYEK-NH_2はPrP(129-154)のαヘリックス構造を安定化させた。しかしPrP(192-213)に対しては、すべてのオリゴペプチドがαヘリックス構造を不安定化した。 4.Ac-ETVK-NH_2は水溶液中のNACに対してβシート構造の割合を増大させNACのアミロイド線維化を促進した。 5.Aβペプチド及びNACに関する以上の結果より、それぞれのペプチド内に存在するアミノ酸配列を含んだオリゴペプチドがAβペプチド及びNACのαヘリックス構造を不安定化させる場合は、アミロイド線維化を促進すると結論した。この結論から、実際の生体内においてもAβやNACのフラグメントを含有する小さなオリゴペプチドはそれらのアミロイド線維化を引き起こし、アルツハイマー病やパーキンソン病の原因となり得る事が示唆された。
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