研究課題/領域番号 |
13672275
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
青木 淳賢 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (20250219)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | リゾホスファチジン酸 / ホスリパーゼ / リゾホスフォリパーゼD / がん / 浸潤・転移 / オートタキシン / リゾホスホリパーゼD / ホスホリパーゼA_1 / ホスホリパーゼD / ホスホリパーゼA1 / ホスホリパーゼA2 / リゾホスホリパーゼ |
研究概要 |
(目的)リゾホスファチジン酸(LPA)は、平滑筋細胞の収縮、血小板の凝集、ガン細胞の浸潤等の多彩な機能を有する生理活性脂質である。その作用は、7回膜貫通型受容体であるEDG受容体を介して細胞内に伝えられる。LPAは、血清に多く存在し、血漿に少ないことから、血液凝固の結果産生されるということが想定されていたが、その産生機構は不明であった。これまでの解析から、血清中においてLPAは、リゾホスファチジルコリン(LPC)からリゾホスホリパーゼD (lysoPLD)の作用により生じることが分かった。今回、我々は血清LPA産生のkey enzymeであると考えられるlysoPLDの性状を明らかにするために、本酵素の精製・クローニング・性状解析を行った。(方法)lysoPLD活性は、基質としてLPC (1 mM)を用いた。37℃にて1時間インキュベーション後遊離したコリンをコリンオキシダーゼを用いて定量した。lysoPLDの精製は、牛胎児血清2リットルを出発材料とし、ポリエチレングリコール沈殿後、Blue Sepharose、ConA、BioAssistQ(陰イオン交換カラム)、Heparin、PESOURCEPHE、Hydroxyapatiteのカラムクロマトグラフィーに順次にかけて行った。(結果・考察)lysoPLD活性は全てのカラムクロマトグラフィーにおいて、1ピークとして検出され、最終比活性4.000倍の標品を得た。SDS-PAGEを行った結果、約100kDaのバンドがlysoPLD活性と挙動を共にした。このバンドをアミノ酸シークエンスしたところ、その配列はrat, human Autotaxin (ATX)のアミノ酸の一部と完全に一致した。そこで、ラット肝臓cDNAよりATXをクローニングし、CHO-K1細胞に遺伝子導入したところ、培養上清中に約100kDaのタンパク質が検出され、同時にlysoPLD活性が検出された。このことから、ATXがlysoPLDそのものであることが分かった。ATXはガン細胞の遊走を促進する因子として、単離された生理活性タンパク質であり、LPAもEDG受容体を介して強い細胞遊走促進活性を持つ。ATXによる運動性の促進活性は百日咳毒素(PTX)感受性のGi共役型受容体を介することから、ATXはLPAの産生を介し細胞の遊走を促進していると考えられる。
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