研究課題/領域番号 |
13672282
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中川 晋作 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (70207728)
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研究分担者 |
堤 康央 大阪大学, 薬学研究科, 助手 (50263306)
真弓 忠範 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (00098485)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 遺伝子治療 / アデノウイルスベクター / 標的指向性 / RGD / CAR / インテグリン / 樹状細胞 / ファージライブラリ / メラノーマ細胞 |
研究概要 |
本研究は、アデノウイルスベクター(Ad)表面の蛋白質を改変することにより、従来遺伝子導入が困難であった細胞・組織への適応も可能なAd及び標的細胞指向性を有したAdを開発しようとしたものである。まずAdによる遺伝子導入に抵抗性を示す樹状細胞(DC)では、ウイルスの感染に関わるレセプター(CAR)の発現が低下あるいは欠損していることを明らかにした。その上で、CAR低発現細胞に対しても効率的な遺伝子導入を可能にすべくファイバーにRGD(Arg-Gly-Asp)モチーフを導入し、インテグリンを標的としたファイバーミュータントAd(RGD-Ad)を作製した。その結果、RGD-AdはCARの発現が認められない細胞に対して、従来型Ad(WT-Ad)と比較して高い遺伝子導入効率・発現効率を示した。そこでこのRGD-Adに加え、RGDより細胞接着活性において優れているRGDS(Arg-Gly-Asp-Ser)及びその両端にG4Sリンカーを付加したAd(各々RGDS-Ad及びRGDSL-Ad)を作製し、WT-Adと比較した。各Adは、種々細胞に対して用量依存的に遺伝子発現を上昇させた。しかし、遺伝子発現効率の優劣は、細胞間において異なり、A549細胞では、RGD-Ad=RGDS-Ad>WT-Ad>RGDSL-Ad、A2058細胞では、RGD-Ad=RGDS-Ad>RGDSL-Ad>WT-Ad、B16BL6細胞では、RGD-Ad>RGDS-Ad>RGDSL-Ad>WT-Adの順で優れていた。一方、プロテインAをファイバーに発現させたAdの作製を試みたが、十分な遺伝子導入活性を有するAdを得る事ができなかった。その原因として、プロテインAを導入することでファイバーの高次構造が変化し、本来の機能が発現できない、あるいはウイルス粒子が産生されにくい為と考えられた。そこで、この点を解決し、種々の機能性分子を提示できるファイバー構造の情報を得るために、種々のペプチド分子を含むファイバーを提示したファージライブラリを構築した。今回作製したライブラリを用い、Adのミサイル分子を検索するシステムを構築するため、モデル標的分子(EGFレセプター)に対してパンニングを行った。その結果、ファージの回収率がおよそ100倍にまで上昇した。今後、このシステムを駆使することにより標的指向性を有するAdの作製が行えるものと考える。
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