研究課題/領域番号 |
13672285
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
合田 榮一 岡山大学, 薬学部, 助教授 (20028814)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2001年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | 肝細胞増殖因子(HGF) / インターロイキン(IL-1) / Tumor Necrosis factor α(TNF-α) / サイクリックAMP / コレラトキシン / ホルボールエステル / 上皮増殖因子(EGF) / インターロイキン1(IL-1) / tumor necrosis factor α(TNF-α) / MAPキナーゼ |
研究概要 |
ヒト真皮線維芽細胞における肝細胞増殖因子(HGF)産生は、PKA活性化剤である8-Bromo-cAMPやコレラトキシン、TPA等のホルボールエステル及びEGFをはじめ種々の増殖因子等により促進される。一方、IL-1やTNF-αも種々の細胞でHGF産生を誘導することが報告されている。そこでこれら誘導剤間の相互作用を調べるため、IL-1とPKA活性化剤を共存させたところ、PKA活性化剤によるHGF産生誘導がIL-1により強く抑制されることを見出したので、その詳細につき検討を行った。IL-1α/βは単独では本細胞のHGF産生を僅かに誘導するのみであったが、PKA活性化剤によるHGF産生誘導を強く抑制し、またTNF-αも同様の抑制作用を示した。IL-1α/β及びTNF-αの最大抑制作用はそれぞれ100pg/ml及び3JRU/mlで認められた。両サイトカインによる最大抑制はデキサメタゾンよりは強く、TGF-βと同程度かもしくはより強かった。本抑制作用は48時間後から認められた。また、このようなIL-1α/βとTNF-αのHGF誘導抑制作用はHGF mRNAレベルでも同様に認められた。IL-1の抑制作用はIL-1レセプターアンタゴニストにより回復を見せた。EGF及びTPAによるHGF産生誘導もIL-1により抑制を受けた。この抑制作用はTGF-βよりは弱いものであったが、デキサメタゾンやレチノイン酸よりは強かった。IL-1のシグナルはMAPKファミリーカスケードやIKKカスケードを活性化して下流へと伝達される。本抑制作用はNF-κB活性化阻害剤では消失しなかったが、p38阻害剤及びMEK阻害剤単独によって一部回復が見られ、両阻害剤の併用により50%以上の回復が認められた。以上より本抑制作用にはNF-κBの活性化ではなく、p38経路やMEK-MAPK経路の活性化が少なくとも一部関与していることが示唆された。IL-1は培養肝細胞の増殖を直接抑制することが知られているが、HGF産生を抑制することでも間接的に肝細胞増殖を抑制し肝再生を制御していることが示唆された。
|