研究課題/領域番号 |
13672290
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
原 明 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (00094334)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | キシルロース還元酵素 / 結晶構造 / ウロン酸回路 / キシリトール脱水素酵素 / グロン酸脱水素酵素 / 薬物代謝 / SDRファミリー / ジアセチル還元酵素 / 結晶化 / イサチン |
研究概要 |
本研究は、ウロン酸回路の新しい役割を明らかにするため、この代謝系の3酵素の構造、性状、分布を検討し、得られた知見を以下に要約する。 1.L-キシルロース還元酵素(XR):ヒト、モルモット、ハムスター、ラットおよびマウスのL-キシルロース還元酵素のcDNAを単離し、各リコンビナント酵素を大腸菌の系で発現・精製し、性状を明らかにした。本酵素はshort-chain dehydrogenase/reductaseファミリーに属し、ジアセチル還元酵素と同一であり、種々の薬物のケトンや異物のジカルボニル化合物を還元した。本酵素は上記の動物組織に広く分布し、肝臓と腎臓に高発現し、ラットとマウスの腎では尿細管上皮細胞の刷子縁膜に局在した。ヒトXRを結晶化、X線解析により、サブユニット内のジスルフイッド結合をもつ4次構造を明らかにした。部位特異的変異法により、触媒反応および基質結合に関わる8残基を同定した。動物のXRが低温失活する構造的要因も明らかにした。ブチル酸などの本酵素の特異的な拮抗阻害剤を見出し、結晶構造に基づいたコンピュターモデリングにより候補阻害剤の誘導体を設計し、XR過剰発現細胞で細胞内移行性も試験した。XR遺伝子過剰発現マウスおよびノックアウトマウスを作製し、その生理的変化を観察した。 2.キシリトール脱水素酵素(XDH):XDHも動物組織に広く分布し、肝臓と腎臓に高発現していた。モルモットのXDHは、medium-chain dehydrogenase/reductaseファミリーに属するソルビトール脱水素酵素と同定され、細胞質とミトコンドリアのXDHも同一酵素であることが示唆された。いくつかの芳香族アルコールが本酵素の基質となった。 3.グロン酸脱水素酵素(GDH):GDHもモルモットとウサギの組織に広く分布し、肝臓と腎臓に高発現していた。精製したウサギGDHのアミノ酸配列分析から、本酵素は3-hydroxyacyl CoA dehydrogenaseファミリーに属する2量体酵素であることが示唆された。本酵素は糖以外のジカルボニル化合物のいくつかも基質とした。
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