研究課題/領域番号 |
13672301
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 昭和薬科大学 |
研究代表者 |
田口 恭治 昭和薬科大学, 薬学部, 助教授 (70171593)
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研究分担者 |
斉藤 俊昭 昭和薬科大学, 薬学部, 講師 (00286882)
堀口 よし江 昭和薬科大学, 薬学部, 助教授 (70190254)
佐野 武弘 昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (00077520)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 抗パーキンソン病治療薬 / 神経細胞保護作用 / 1-methyl-1,2,3,4-tetrahydroisoquinoline / 1,2,3,4-tetrahydroisoquinoline / ドパミン / 1-benzyl-1,2,3,4-tetrahydroisoquinoline / C57BL / 6Nマウス / パーキンソン様症状 / 黒質ドパミン神経細胞 / 1-methyll-1,2,3,4-tetrahydroisoquinoline / 1,3-Dimethyl-2-(2-propynyl)-1,2,3,4-tetrahdyroisoquinoline |
研究概要 |
新規抗パーキンソン病治療薬の開発を目的として、1-methyl-1,2,3,4-tetrahydroisoquinoline(1-MeTIQ)の神経保護作用に着目し、その光学活性体である(R)-1-MeTIQ及び(S)-1-MeTIQと1-benzyl-1,2,3,4-tetrahydroisoquinoline(1-BnTIQ)の合成を行い、1-MeTIQの神経保護作用を検討した。 (R)-及び(S)-1-MeTIQの合成は、市販品として入手可能な(R)若しくは(S)-ベンジルアミンを出発物質として用い、全6工程、総収率48%、光学純度100%で合成した。また、1-BnTIQの合成は、ベンゾフェノンを出発物質として、全7工程、総収率55%で合成した。これらのことから、Pummerer型環化反応を利用したTIQ類の合成は、市販品の原料から、短工程、好収率かつ高光学活性でTIQ類を合成できることを明らかにした。 雄性C57BL/6Nマウスに、神経細胞保護作用を有する1-MeTIQ(80mg/kg)の前投与は1,2,3,4-tetrahydroisoquinoline(TIQ;80mg/kg)により生じるbradykinesia、黒質のTH陽性細胞数の減少作用を有意に抑制した。光学活性体である(R)-あるいは(S)-1-MeTIQを用いて同様の検討を行ったところ、(R)-1-MeTIQの前投与によるパーキンソン病(PD)様症状の抑制作用が認められた。TIQ(160mg/kgおよび240mg/kg)を投与した場合に[^<11>C]CIT-FP-dopamine transporter (DAT)結合能の低下がみられた。(R)-あるいは(S)-1-MeTIQを前投与した場合、[^3H]raclopride-ドパミン2受容体結合能は変化しなかったが、(R)-あるいは(S)-1-MeTIQ前投与群ではDATの結合能を有意に低下させた。これらの結果からTIQはDA神経細胞死を引き起こされたことが示唆され、(R)-あるいは(S)-1-MeTIQの神経保護作用は立体化学的に作用が異なっていることが示唆された。 BnTIQ(80mg/kg)の反復投与によっても明らかなbradykinesiaの発現が認められたが、TH陽性細胞数の減少はわずかで、線条体DA含量は有意に増加した。このことから、1-BnTIQはPD様症状を行動学的に誘発するが、黒質TH陽性細胞と線条体DA含量の減少作用を認めなかった。1-BnTIQは線条体における[^<11>C]CFT-DAT結合能に影響を与えず、ドパミン2受容体への結合を変化させなかった。1-BnTIQ投与30分後において[^<11>C]raclopride結合はわずかに低下させ、(S)-1-MeTIQは[^<11>C]raclopride結合を低下させたのに対して(R)-1-MeTIQの前投与による作用は弱かった。これらの結果から1-BnTIQのパーキンソン病様症状の誘発作用は弱いことが示された。
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