研究課題/領域番号 |
13672304
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
杉浦 隆之 帝京大学, 薬学部, 教授 (40130009)
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研究分担者 |
須原 義智 帝京大学, 薬学部, 助手 (30297171)
岸本 成史 帝京大学, 薬学部, 助手 (60234217)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | カンナビノイド / 2-アラキドノイルグリセロール / シナプトソーム / グルタミン酸 / HL-60細胞 / マクロファージ / ケモカイン / 遊走 / MAPキナーゼ / CB2受容体 / アナンダミド / Ca^<2+>チャネル / リゾホスファチジン酸 / アラキドン酸 / シナプトゾーム |
研究概要 |
1.2-アラキドノイルグリセロールの新規アナログの開発:2-アラキドノイルグリセロールの代謝的に安定な新規アナログを数種開発した。これらの化合物は、2-アラキドノイルグリセロールの作用の上で有用なツールになるものと期待される。 2.脳における2-アラキドノイルグリセロールの生成とその意義:ラット脳シナプトソームにおける2-アラキドノイルグリセロールの生成と遊離を詳しく調べた。その結果、脱分極に伴って2-AGが速やかに生成することが分かった。次に、シナプトソームを脱分極させたときに観察されるグルタミン酸放出に及ぼすカンナビノイド受容体アンタゴニストの影響を調べた。その結果、カンナビノイドCB1受容体のアンタゴニストであるSR141716Aを加えることによりグルタミン酸の放出が増大することが分かった。神経の興奮に伴って生成する2-アラキドノイルグリセロールには、一旦起こった神経の興奮にブレーキをかけるという重要な役割がある可能性が高い。 3.炎症・免疫系の細胞に及ぼす2-アラキドノイルグリセロールの影響:HL-60細胞に2-アラキドノイルグリセロールを加えると、IL-8やMCP-1などのケモカインの産生が増大することを見い出した。2-アラキドノイルグリセロールのケモカイン産生増強作用は、細胞をカンナビノイドCB2受容体のアンタゴニストであるSR144528で処理することにより抑制された。次に、マクロファージ様の細胞に分化させたHL-60細胞に2-アラキドノイルグリセロールを加えて遊走を引き起こすかどうかを調べた。その結果、2-アラキドノイルグリセロールはマクロファージ様に分化させた細胞を遊走させることが分かった。2-アラキドノイルグリセロールによる遊走は、細胞をSR144528で処理することによって完全に阻害された。2-アラキドノイルグリセロールには炎症・免疫反応を促進するという重要な生理的役割がある可能性が考えられる。
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