研究課題/領域番号 |
13672309
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 明治薬科大学 |
研究代表者 |
大石 一彦 明治薬科大学, 薬学部, 講師 (80203701)
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研究分担者 |
内田 幸宏 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (90097197)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 神経幹細胞 / 分化 / 三次元培養 / 平滑筋細胞 / 収縮反応性 / 内皮細胞 / 管腔構造 / TGF-β1 |
研究概要 |
我々は、脳内に存在する神経幹細胞から平滑筋細胞と内皮細胞に分化誘導する系を確立した。そこでまず、ラット(もしくはマウス)胎児脳の神経幹細胞より分化した平滑筋細胞を用いて収縮能を測定できる人工平滑筋組織標本を作製し、その収縮機能を検討することで、平滑筋細胞の本来の機能である収縮機構に基づいて神経幹細胞由来の平滑筋発生の可能性を検討した。この標本の等尺性収縮を測定したところ、高濃度カリウム(80mM)による脱分極や、アセチルコリン(100μM)やエンドセリン-1(20nM)に反応して持続性の収縮を発生した。また、アセチルコリンにより発生する等尺性収縮は、細胞内外のCa^<2+>に依存し、カルシウムチャネル阻害薬のニフェジピン、MLCK阻害薬のML-9、Rho-キナーゼ阻害薬のY-27632、dibutyryl-cAMP、8-Br-cGMPで抑制された。したがって、神経幹細胞由来の平滑筋細胞は、脳細動脈に類似のアゴニスト感受性や平滑筋の収縮様式を発揮することがはじめて明らかとなった。 次に、神経幹細胞から分化した内皮細胞が、血管を形成する可能性をin vitroで検討した。神経幹細胞より分化した内皮細胞をコラーゲン(type I)ゲルに包埋し、bFGFを含む無血清培養液中で10%FBS存在下で5日間培養したところ、VE-cadherinやPECAM-1を強く発現した網目状の血管腔構造が形成された。さらに、その構造の一部に、GFAP陽性細胞やα-smooth muscle actin陽性細胞が血管腔構造の周りを取り巻く様子も観察された。 以上のことより、神経幹細胞は血管を構成する平滑筋細胞と内皮細胞に機能的分化することが明らかとなった。神経幹細胞より分化誘導した血管系細胞が脳血管の形成や再構築に関与する可能性が考えられる。
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