配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
研究概要 |
1.私共が開発した化合物であるPL-AG(ピリドキサールとアミノグアニジンのシッフ塩基)の糖尿病マウス腎症に対する抑制効果をこれまで最も有望視されてきた糖尿病合併症治療薬候補であるアミノグアニジン(AG)の効果と比較した。尿中アルブミン排泄量,尿量,糸球体容積,およびメサンギウム容積はAG投与に比べPL-AG投与でより顕著に抑制されたことから,PL-AGはAGよりも優れた腎症抑制作用をもつことがわかった。 2.PL-AGのin vitroにおける抗酸化作用をAG,トロロックス,ピリドキサミン,ピリドキサールの抗酸化作用と6つの方法で比較した。いずれの方法においても,PL-AGは他の化合物よりも強い抗酸化作用を示した。また,糖尿病ラットにおけるin vivoでの抗酸化作用(赤血球,血漿,肝臓の過酸化脂質量から評価した)もPL-AGの方がAGよりも明らかに強かった。さらに,PL-AGは自身が酸化されて安定な化合物となること,および金属イオン(Cu^<2+>,Fe^<3+>など)とキレートしてそれを除去することにより抗酸化作用を発揮することを明らかにした。 3.PL-AGとAGの糖尿病ラットにおける末梢神経障害および白内障に対する抑制効果を比較した。AGは糖尿病ラットの坐骨神経伝導速度低下を改善しなかったのに対して,PL-AGはそれを有意に改善することができた。また,AGは白内障発症をほとんど遅延させなかったが,PL-AGは著明にそれを遅延させた。 4.2型糖尿病モデル動物であるGoto-KakizakiラットにPL-AGを投与したが,糖尿病の進展を抑えることはできなかった。
|