配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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研究概要 |
本研究課題では,哺乳動物のすべての臓器で発現している特異なP450酵素であるステロール14脱メチル化P450(CYP51)の臓器特異的な発現調節と機能に関係する可能性を解析する研究の一環として行った。本研究では先ず,CYP51が哺乳動物の調べた限りすべての臓器で発現していることを再確認した後,肝臓,小腸,副腎,脳,卵巣について発現に関わるホルモン制御と臓器特異的機能の関連を解析した。一連の解析で見出した最も重要な成果は,卵巣におけるCYP51の発現が,他の臓器と異なり,ゴナドトロピンの支配を強く受けていることであり,この卵巣特異的発現調節が卵巣に特異的な機能(減数分裂活性化ステロールの産生)に結びついている可能性を示した。また,肝臓におけるCYP51の発現にインスリンが必要であり,それには他の脂質代謝酵素の場合と同様,インスリンによるSREBPの誘導が関与することを示し,肝臓のCYP51がステロール合成系酵素群の一員として発現調節されることを示唆した。さらに,肝臓,小腸,副腎におけるCYP51の発現に甲状腺ホルモンが必要であること,デキサメタゾンがこれらの臓器におけるCYP51の発現に抑制的因子となることを見出し,デキサメタゾンのCYP51発現抑制効果がグルココルチコイド受容体を介する可能性を示唆する知見も得た。脳におけるCYP51の発現に対するホルモンの影響には肝臓と本質的な相違点が見られず,神経組織におけるCYP51の発現が特別な調節を受けていることを示す事実は見出されなかった。本研究では更に,培養肝細胞とルシフェラーゼ遺伝子をレポーターとする発現プラスミドを用いたCYP51プロモーターの機能解析実験によって,同領域に存在するSRE, CREがCYP51発現に必要であることを確認すると共に,それらに隣接する塩基配列GCAATのエレメントが発現に必要であることを見出した。
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