研究課題/領域番号 |
13672321
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医薬分子機能学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
菊地 和也 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (70292951)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2001年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 蛍光 / プローブ / レーザー / IP_3 / 受容体 / 不活化 / カルシウム / イメージング / 小分子CALI / 容量性Ca^<2+>流入 / カルシウムチャネル / IP_3受容体 / タプシガルジン / 小胞体 / 蛍光プローブ / 細胞内Ca^<2+> / Ca^<2+> / クロモフォア / 平滑筋 / 光照射 / 合成小分子 |
研究概要 |
生理的な条件下でCALIができる実験系を構築するため、膜透過性CALI用合成小分子プローブ、MGIP_3/PMを新規に合成した。続いてMGIP_3/PMの膜透過性を検討するため、DT40細胞の細胞外液にMGIP_3/PMを添加した。その結果、細胞内Ca^<2+>濃度上昇が観察された。以上の実験からMGIP_3/PMが確かに細胞膜を透過し細胞内のIP_3受容体に作用することが示された。つづいて、MGIP_3/PMを用いてCALIが行えるか検討した。DT40細胞にMGIP_3/PMを負荷しレーザーを照射すると、カルシウムオシレーションが50%抑制された。またMGIP_3/PMを負荷してもレーザーを照射しない時、MGIP_3/PMの光学異性体である1L-MGIP_3/PMを負荷してレーザーを照射した時にはこうした抑制はみられなかった。この結果、膜透過性小分子プローブMGIP_3/PMを用いたCALIにより、生理的条件下IP_3受容体を不活性化し、それに伴うシグナルを抑制できることが示された。次に、確立した実験系を用い、IP_3受容体を不活性化した時の容量性Ca^<2+>流入を観察した。その結果、CALIによるIP_3受容体の不活性化は容量性Ca^<2+>流入に影響を及ぼさなかった。 以上の実験により、膜透過性の合成小分子を用いることにより、細胞非侵襲の条件下CALIにより標的分子を不活性化できることが示された。この手法を用いれば、生理的条件下、細胞の種類や数の制約を受けることなくCALIを適用できるため、様々な実験系に応用可能である。生理的な条件下、細胞の機能を解析する手法として膜透過性の合成小分子がCALIのプローブとして有効に機能しうることを示したことは、今後の様々な生体分子をCALIの標的とした場合においても非常に重要な知見となると考えられる。
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