研究課題/領域番号 |
13672330
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医薬分子機能学
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
高田 寛治 京都薬科大学, 薬物動態, 教授 (30102106)
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研究分担者 |
吉川 由佳子 京都薬科大学, 薬物動態, 助手 (30278444)
芝田 信人 京都薬科大学, 薬物動態, 助教授 (60319449)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | glycopeptides / Labrasol / vitamin E TPGS / vancomycin / gentamicin / bioavailability / LC-MS-MS / pharmacokinetics / ゲンタマイシン / 自己乳化型製剤 / 低バイオアベイラビリティ / 腸管排泄機構 |
研究概要 |
難吸収性抗生物質であるvancomycin(VCM),gentamicin(GM)は経口投与後に数%しか循環血中に移行せず、bioavailability(BA)が極めて低い薬物である。しかし、腎や聴覚器毒性を持ち、有効血中濃度域が狭いので、現行の注射製剤ではTDMによる管理が必要である。したがって、薬物の効果を最大限に発揮させ、かつ毒性発現を抑え得る経口製剤の開発が強く望まれている。そこで、界面活性剤Labrasolを用いた自己微小乳化型DDS(self micro-emulsifying drug delivery system, SMEDDS)生成による、これら薬物のBAの改善を目的とした製剤設計と評価を行った。Labrasolにより、GMのSMEDDSを作成して吸収改善効果をラットにおいて検討したところ、経口投与後のGMのBAがLabrasol非添加製剤に比べて薬50-100倍に増加する処方を見出した。このLabrasolの吸収改善効果はマイクロエマルジョン形成による吸収促進効果と腸管排泄抑制効果の両方を併せ持つことを確認した。さらに、LabrasolあるいはビタミンE誘導体コハク酸d-α-トコフェリルポリエチレングリコール1000(TPGS)の溶融物を加えて様々なVCM製剤を調製してラット回腸内投与実験を行い、血漿中VCM濃度を新たに開発したLC/MS/MS法により測定したところ、VCMの回腸内投与後の吸収はLabrasolとTPGSの配合比を50%および12.5%としたSMEDDS製剤において顕著に改善されることを確認した。さらに、GM製剤の標的吸収部位を小腸下部および大腸とするために、pH感受性ポリマー、Eudragit L100(EU-L)、Eudragit S100(EU-S)でGM製剤を封入したカプセルをコーティングしてビーグル犬に経口投与したところ、GMのBAは顕著に改善された。また、SMEDDSを含むGM製剤をpH感受性ポリマーでコーティングし、ビーグル犬投与した場合においても、GMのBAは顕著に改善された。以上より、LabrasolによるSMEDDS製剤化は難吸収性抗生物質のBA改善に有用な手段であると考えられた。
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