研究課題/領域番号 |
13672348
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境系薬学
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
平野 和也 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (80251221)
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研究分担者 |
別府 正敏 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (60114633)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | マクロファージ / 内分泌撹乱化学物質 / 分化 / GFP / 内分泌攪乱化学物質 |
研究概要 |
環境ストレスにより、免疫系(健康)にどのような影響、障害があるかの査定を独自の「リアルタイム解析系」を利用して行なうことを目指した。特に「環境ホルモン(内分泌かく乱物質)」の生体への影響についての新知見を得ることを目的とし本研究をおこなった。 まず第1に、エストロゲン様化学物質(bisphenol A,genistein,17βestradiol)のマクロファージの刺激に応答したsuperoxideおよびnitric oxide産生への影響を調べた。Thioglycolate誘導マウス腹腔マクロファージを24hエストロゲン様化学物質とともに培養し、その後、phorbol 12-myristate 13-1cetate (PMA)およびLPSで刺激した。マクロファージのsuperoxideの産生はbisphenol A、genisteinで処理したときには、増加した。しかし17β-estradiolではほとんど認められなかった。それに対して、マクロファージのLPS刺激によるnitric oxideの産生は高濃度のbisphenol A、genisteinで処理したときに強力に抑制された。しかし17β-estradiolでは効果は認められなかった。 第2に、内分泌撹乱化学物質の免疫系への影響に着目し、免疫系細胞で重要な役割を果たす単球の、マクロファージへの分化に対する影響を検討した。単球の分化に対して、bisphenol A(内分泌撹乱化学物質)、およびbisphenol Aと類似構造を持つbisphenol A diglicidyl ether(以下BADGEと称す)を用いて、単球のマクロファージへの分化に対する影響を検討した。ヒト単球系細胞株THP-1細胞に、BADGEとbisphenol A共存下、それぞれに対してATRA存在下、非存在下で7日間培養した。BADGEは、ATRAの分化誘導に対して、抑制的に働くことが観察された。一方、bisphenol Aでは、そのような効果は認められなかった。 第3に、マクロファージの細胞認識や貪食の解析のために、GFP(Green Fluorescent Protein)の変異体で、細胞の膜を標識した安定発現株を作製した。この作製したGFP標識細胞について、蛍光顕微鏡(あるいは共焦点レーザー顕微鏡)による測定系により、リアルタイム解析を行うための諸条件の検討を行った。安定したリアルタイム法を確立するために、蛍光顕微鏡システムとしてツァイスAxiovert200MおよびCCDカメラおよびCO_2インキュベーターユニットを用いた。THP-1/EGFP-F株について、現在GFP標識THP-1細胞の生細胞の観察、およびタイムラプス解析について、実現に向けて条件を検討しつつある。その後引き続き、内分泌撹乱化学物質存在下での解析に進む予定である。
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