研究課題/領域番号 |
13672362
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医療社会学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
瀬戸 信二 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (00136657)
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研究分担者 |
矢野 捷介 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (50039864)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 在宅医療 / ターミナルケア / 老年者介護 / 質的研究法 |
研究概要 |
目的:高齢者の在宅ターミナルケアの積極的な推進を支援するために、その現状と成立する条件を具体的に検討した。 方法:高齢者在宅ターミナルケアを実践された家族や介護者と1:1の面接調査を行った。インタビューは、基本的ADL、手段的ADL、認知能、ムード、コミュニケーション、社会的環境(家庭環境、介護者、支援体制など)、症状所見について質問を行いながら、内容をふくらませていき、その分析を行った。 結果:42分-84分間のインタビューを実施した。介護者はほとんどが女性で、介護開始時に46-80歳と高齢であることが多く、3-8年間の介護を行っていた。被介護者は男女ほぼ同数で、徐々に寝たきりになる症例がほどんどであり、比較的末期まで上肢機能や嚥下機能が保たれていた。また、コミュニケーションを末期までとれる例が多く、痴呆があっても問題行動は少なかった。介護者には楽天的な性格、被介護者には我慢強い性格が多く、いずれも安定した経済状態の家庭だった。さらに、かかりつけ医や訪問看護師とのアクセスが良好で、初期より社会資源に対する説明を受けたり、入退院を繰り返すことが可能であり、訪問介護、特に入浴や清拭のヘルプ、が充実していた。一方、末期になれば、介護者自身の健康も含め在宅介護を持続することに対する家族の不安は大きく、入院加療が必要であると考える傾向もみられた。 考察:在宅ターミナルケアの成立条件として、患者側では、徐々に段階を追ってADLや手段的ADLが低下するような例であること、上肢機能や嚥下機能が末期まで保たれること、痴呆があっても問題行動の少ないことなどがあげられる。介護側の要因としては、介護者の楽天的でテキパキとした性恪、経済的に安定していることなどがあげられた。また、医療機関の関与およびそのアクセスの容易さは、在宅介護の開始初期においても末期においても非常に重要であると考えられた。
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