研究課題/領域番号 |
13672398
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 共立薬科大学 |
研究代表者 |
園田 よし子 共立薬科大学, 薬学部, 助教授 (30050743)
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研究分担者 |
笠原 忠 共立薬科大学, 薬学部, 教授 (60049096)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 接着斑キナーゼ / PKC / cyclinD3 / CDK / アポトーシス / DNAチップ / Bcl2 / PI3-kinase / Y397F変異体 / アデノウイルス / カスパーゼ-6 / PTEN / Bcl-2 / 還元酵素 |
研究概要 |
グリオーマ細胞株は抗癌剤に抵抗性を示す。ヒトグリオーマ細胞に効率良くアポトーシスを誘導することは、ガン治療に重要であり、そのアポトーシス耐性メカニズムを解明することはがん治療開発につながる。我々はすでにFAKのチロシンリン酸化がPI3-kinase-Aktのサバイバル経路を活性化することおよびFAK過剰発現は抗アポトーシスにつながることを明らかにした。反対にFAKの397YをFに変異させたFAK(397FAK)過剰発現はアポトーシスを促進した。この知見をもとに397FAKをアデノウイルスを用いてヒトグリオーマ細胞に導入したところ、アポトーシスを誘導できることを見い出した。このアポトーシス誘導のメカニズムをしらべたところ、397FAKはサバイバル経路シグナルを阻害していることがわかった。 FAK過剰発現株は酸化ストレス、放射線および抗癌剤に対し耐性を示すことより、その抗アポトーシス遺伝子を検索することはがん治療のターゲットを見い出すことにつながる。従ってDNAチップを用いFAK過剰発現株で上昇している遺伝子を調べた。その結果、Bclファミリー、還元酵素類、セルサイクル関係および機能未知の遺伝子の上昇が見られた。今回は特にセルサイクル関係に注目して実験を行った。すなわち、FAK過剰発現株ではcyclinD3の遺伝子発現が上昇しており、そのシグナル伝達機序を解明した。CyclinD3の遺伝子発現上昇は阻害剤を使った実験よりPKCおよびPI3-kinase経路を経由していることがわかった。さらにcyclinD3の遺伝子発現上昇はCDK活性上昇、増殖促進につながっていることがわかった。 今回、FAKからの新たなシグナルとしてFAK-PKC-cyclinD3の経路を見い出したが、この経路はガン細胞の特徴である増殖促進に寄与していると考えられる。
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