配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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研究概要 |
平成13年度では培養ウシ大動脈内皮細胞を用い,生体内活性リン脂質であるリゾホスファチジン酸(LPA)が,内皮細胞の流れ刺激受容の初期応答として,LPA濃度及び流れ刺激強度に依存した、機械受容チャネルからのカルシウム流入による特徴的な[Ca^<2+>]_i上昇現象(Ca^<2+>-Spots)を誘発することを明らかにした。平成14年度にはさらに生理的な実験条件として、マウス大動脈組織標本を用いたin situでの検討を行った。ddY系雄性マウスの胸部大動脈を摘出後,血流方向に切り開き,fluo-4/AMを負荷した後,自作の流れ刺激負荷装置の流路部分に固定した。流れ刺激は,シリンジポンプを用いて負荷し,個々の細胞のCa^<2+>応答は,多光子励起レーザー走査型蛍光顕微鏡システムを用いて観察した(Ex;780nm, Em;450-600nm)。流れ刺激付加装置に固定したマウス大動脈組織片に流れ刺激のみを適用しても明らかなCa^<2+>応答は認められなかったが、LPA(1〜10μM)存在下に流れ刺激(10〜40dyne/cm^2)を負荷すると、培養内皮細胞で認められたものとほぼ同様のLPA濃度及び流れ刺激強度に依存したCa^<2+>応答が生じることが明らかとなった。また、このCa^<2+>-Spots現象は機械受容チャネルの阻害薬であるGd^<3+>で抑制されたことから、機械受容チャネルを介するCa^<2+>流入を何らかのメカニズムを介してLPAが促進することが示唆された。平成15年度ではこのLPAにより促進される内皮細胞のカルシウム応答後に生じる血管応答について検討した。その結果、収縮反応が観察され、thromboxane A_2/PGH_2受容体拮抗薬のSQ-29548の前処置により収縮反応のみが抑制された。従って、流れ刺激存在下、LPAの適用により誘発される内皮細胞のCa^<2+>応答に引き続く血管の応答は、thromboxane A_2/PGH_2が介在する収縮反応であり、内皮細胞の流れ刺激依存性のCa^<2+>応答を介する間接的な反応であることが示唆された。
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