研究課題/領域番号 |
13672434
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
岸川 匡彦 大阪医大, 医学部, 助手 (40268199)
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研究分担者 |
清水 章 大阪医科大学, 医学部, 教授 (00028581)
中西 豊文 大阪医科大学, 医学部, 講師 (10247843)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | トランスサイレチン / 亜硫酸化 / モリブデン補因子欠損症候群 / 修飾構造 / アミロイドーシス / 翻訳後修飾 / 家族性 / 老年性 |
研究概要 |
トランスサイレチン(TTR)は、遺伝的変異により家族性アミロイドポリニューロパチーを引き起こすことで知られる血清蛋白である。また、変異のない正常TTRも、時に老年性全身性アミロイドーシスの原因となることが分かっている。我々は、免疫沈降法と質量分析を利用することで、血清や眼房水中TTRの変異の有無や修飾構造の比率が簡便にかつ少量の検体から計測できることを報告してきた。世界的に複数の施設がこの手法を利用しており、新変異6種を含む19種類の変異が検出可能であることが証明されている。 我々は、上記の手法により、生体中のTTRには、そのアミノ末端より10番目のシステイン残基に、チオール化合物が結合した、複数種のアイソフォームが存在することを発見した。特に亜硫酸(S03)が結合した亜硫酸化TTRは、無修飾のTTRに比べ、アミロイド原性が高いことをin vitroで証明した。TTRのアミロイド化過程に、何らかの環境因子が関与していることを示唆する。 スウェーデンのPer Westermark教授との共同研究により、老年性アミロイド組織中のTTR構造を現在解明中である。 また、モリブデン補因子欠損症候群においては、sulfite oxydaseの活性が低下し、結果、血清中の亜硫酸が蓄積する。本疾患では亜硫酸化TTRの比率が、変化していることを見出し、報告した。この件に関し、オーストリアのインスブルック大学子供病院より、合計150検体の分析依頼を受け、分析した。亜硫酸化TTRの比率は、極めて有用な診断法になることが解った。また、同時にこれらの検体中には、高い確率で変異TTRが確認でき、その構造解明を現在続けている。
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