研究概要 |
1.在宅における重症心身障害児の経管栄養に関する看護上の問題を把握するために,アンケート調査を実施した. 2.経管栄養施行の30名中,経管栄養のみは22名で,8名は経管栄養と経口の併用だった.約3割は「やせ過ぎ」で,約7割に呼吸器感染症の入院既往があり,体力や抵抗力の低下に留意し,感染症を予防する必要性が再確認された. 3.経管栄養施行の30名中約4割は口腔ケアが実施されていなかった. 4.在宅介護における母親の負担は大きく,毎日平均8〜10時間を子どもの食事のために費やしていた. 5.母親の約4割にチューブ交換で困ることや経管栄養に対する不安があった.その内容は様々で,個別指導の重要性が示唆された. 6.栄養チューブの留置期間は7日が最多で,20日が最長だった. 7.栄養チューブの細菌検査を5名に実施し,(1)1名からMRSAがチューブ先端5cmの部位に検出された.これには,人工呼吸器装着に伴う数回の入院が関連していることが推察された。(2)1名ずつ計2名から,Esherichia coliとPseudomonasが,培地面に数コロニー検出された. 8.MRSAを認めない4名のチューブ留置期間は全員1週間だった. 9.在宅で経鼻胃管栄養を実施している重症心身障害児について,1週間の経鼻胃管留置期間は適切であることが示唆された.
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