研究課題/領域番号 |
13672469
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎・地域看護学
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研究機関 | 岐阜県立看護大学 |
研究代表者 |
松山 洋子 岐阜県立看護大学, 看護学部, 教授 (50239133)
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研究分担者 |
菱田 一恵(三浦 一恵) (菱田 一恵) 岐阜県立看護大学, 看護学部, 助手 (00326117)
森 仁実 岐阜県立看護大学, 看護学部, 講師 (40326111)
杉野 緑 岐阜県立看護大学, 看護学部, 助教授 (70326106)
普照 早苗 岐阜県立看護大学, 看護学部, 助手 (80336635)
大井 靖子 岐阜県立看護大学, 看護学部, 助手 (60326121)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 介護保険 / 居宅介護サービス / 選択 / 自己決定 / 人権尊重 / 在宅サービス / サービスの選択 |
研究概要 |
本研究は、介護保険利用者が住み慣れた自分の家で生活することを自己決定し、サービス業者を選択して利用し、その人らしい人権が尊重された生活が出来ているかを検証するものであり、(1)H市の居宅介護サービス利用者34名の家庭訪問調査、(2)H市156名およびC市42名の居宅介護サービス利用者への質問紙調査、(3)H市の18名のケアマネジャーへの訪問調査からなる。その結果、自分の住む場所を自分の意思で決定したものは80%で、20%は家族が決定していた。サービス利用の決定は、サービスの利用目的によって決定者が異なり、家族の便宜が優先されるなど本人不在の意思決定がされており、本人と家族の意思決定が未分化な状態にあった。サービス業者の選択については、複数の選択肢から選択したものはなく、ケアマネジャーや主治医に勧められて利用していた。また高齢者には「お任せする」意識が強く、選択する意思は定着していない。サービス利用によって、基本的日常生活行動は約58%のものは保持されていたが、他者との交流などの社会性は33%。趣味の継続や金銭管理などの生活の継続性は35%、選挙権の行使は25%が保持されていたのみだった。この状態でも90%のものは介護保険によって生活が成り立つことを満足していたが、基本的生活が保持されれば満足するという低いレベルで満足しているため、サービスへの苦情があっても利用をやめる・黙っているなどの消極的対処がされており、苦情処理制度があり制度としては利用者の権利を尊重しているが,サービス利用者の権利意識はまだ定着していないといえる。ケアマネジャーは利用者に選択肢を羅列して提示するのみで、情報内容を提示し、選択できるような支援を行っていないものが多かった。 本研究では、わが国と同様に介護を社会保険で保障している先進国オランダの在宅ケアを2年間にわたって視察した。オランダでは要介護認定制度はなく、すべての利用希望者に詳細なフォーマットに従ったニーズ査定が行われ、十分話しあって個々のニーズにそったサービスが提供されていた。また、自己決定の前提条件として、年金・住宅保障制度が整備され、苦情対応制度が整っていた。ケア提供者の質は「ケアの質法」や教育制度が整備され、ケア従事者はすべて専門の教育が受けていた。
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