研究課題/領域番号 |
13680011
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
鈴木 淳一 北海道教育大学, 冬季スポーツ教育研究センター, 助教授 (80261379)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2001年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 毛細血管新生 / トレーニング / 低酸素 / コバルト / 酵素活性 / 骨格筋 / 持久力 / 酸素活性 |
研究概要 |
本研究は、常圧・低酸素環境下の持久的トレーニングが骨格筋酸素供給系の適応性変化に及ぼす影響について解明することを目的とした。実験には12週齢のwistar系雌ラットを用い、それぞれ、対照群(Cnt)、トレーニング群(TR)、コバルト投与群(Cob)、およびコバルト投与中にトレーニングを行う群(CoTR)の4グループに分けた。塩化コバルトは0.01%の濃度で飲水中に混ぜて5週間投与した。トレーニングは小動物用トレッドミルを用いて5週間負荷した。Hb濃度はCob群及びCoTR群でCnt群に比べ約25%有意に増加した。Cob群では、横隔膜だけで全毛細血管密度及びC : F比の有意な増加が観察された。TR群ではヒラメ筋と足底筋において毛細血管数の有意な増加と細動脈側毛細血管数の増加および細静脈側毛細血管数の減少が観察された。CoTR群でもこれと同等の変化が観察されたが、足底筋においてはTR群よりも毛細血管数が有意に増加していたVEGFに陽性反応を示す毛細血管の密度(VEGF-cap)には有意な差はみられなかった。代謝酵素活性ではTR群とCoTR群でほぼ同等の変化を示し、有酸素代謝系酵素の有意な活性増加と無酸素系代謝酵素の僅かな低下が観察された。次に、この実験結果を踏まえ、トレーニング初期段階におけるVEGF発現を観察した。コバルト投与開始6、10日後にVEGF-capがヒラメ筋において有意に増加し、10日後にはC : F比が有意な増加を示した。CoTR群のヒラメ筋では、VEGF-capの値が3日後に69%、6日後に44%、10日後には60%有意に増加したが、足底筋では10日後に有意な増加が観察された。TR群では、ヒラメ筋でVEGF-capが6日後、10日後に有意に増加したが、足底筋では有意な増加は観察されなかった。ヒラメ筋ではTR群及びCoTR群でC : F比が6日後と10日後に有意な増加が観察されたが、足底筋ではCoTR群だけ10日後に有意な増加が見られた。以上の結果から、コバルトによるoxygen-sensing mechanismの活性化によって、下肢骨格筋の毛細血管内皮細胞でのVEGF発現が促進され、毛細血管網の再構築が助長されることが示唆された。
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