研究概要 |
本研究の目的は,汎用かつ簡便な剛体リンクモデルによる身体運動のシミュレーションシステムを構築することであった.その成果成果をまとめると以下のようになる. (1)剛体リンクモデルの構造定義ファイル:汎用性を向上させるため,剛体リンクモデルの構造を定義する「構造定義ファイル」について検討を行い,汎用性を考慮したファイル構造を決定した. (2)シミュレーションシステムのコアシステムのプログラミング:上記の「構造定義ファイル」に基づいて,剛体リンクモデルの運動方程式や拘束方程式などを自動的に導出するプログラムを,MATLABを用いて構築した. (3)筋収縮特性を模した関節トルク出力特性の導入:骨格筋が有する筋長-収縮力,収縮速度-収縮力の特性(いわゆるHillの特性方程式)を模して,関節角度および関節角速度によって関節トルクの最大値を制限するプログラムを作成・導入した. (4)GUIの導入:スポーツの指導現場で利用を簡便にするためには,身体運動シミュレーションの入力情報である関節トルクや関節角度をコンピュータ画面上でマウスを用いて変更できるGUIプログラムを作成・導入した. (5)最適化システム:最急降下法と黄金分割探査法(Golden Section Search法)を組み合わせた最適化プログラムを作成・導入した. (6)妥当性の検討:構築したシミュレーションシステムを野球の投球動作に適用し,シミュレーションシステム全体の妥当性を確認した.
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