研究課題/領域番号 |
13680060
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
武者 春樹 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (10182073)
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研究分担者 |
長嶋 淳三 横浜市スポーツ医科学センター, 内科診療部, 医師 (60247351)
大庭 治雄 国立スポーツ科学センター, スポーツ医学研究部, 研究員 (40308416)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | sudden cardiac death / exercise stress / myocardial injury / long distance run / Sudden Cardiac Death / Exercise Stress / Myocardial injury / Long Distance Run / magnesium / atrial natriuretic peptide / brain natriuretic peptide / cardiac troponin T |
研究概要 |
運動中の突然死の機序の一つとして古くより冠動脈スパズムによる急性心筋梗塞発症や不整脈が考えられている。その誘因としては消耗性運動による発汗やカテコラミンに誘導された遊離脂肪酸のキレート作用による血清マグネシウムの低下が指摘されている。しかし、冠動脈スパズムによる狭心症患者においては血清マグネシウム低下より細胞内マグネシウムの低下がその主因であるとの説が現在では一般的である。本研究は、健常人が消耗性運動において(1)冠動脈スパズムを誘発しうるマグネシウム低下をきたすか否かを血清および赤血球において検討し、また、(2)心筋障害とカテコラミンの関係を検討した。100kmマラソンという非常に消耗する運動においても血清マグネシウムは軽度低下するものの、赤血球マグネシウムは増加を認め、細胞内マグネシウムは保持され健常人においては運動のみによりマグネシウム低下が誘因となる冠動脈スパズムは生じないと考えられる。また、血清マグネシウムの軽度低下は、増加したアドレナリンと相関することから、遊離脂肪酸を介して生じる一過性の減少であり、細胞レベルには影響しないものと推定された。心筋障害の指標であるトロポニンTと血清カテコラミン値との関連はなく、血清アドレナリンにおいては負の相関傾向にあり、健常なスポーツ選手の心臓ではたとえ100kmマラソンであったとしても、心筋障害を生じることは少ないと考えられる。 健常者においては消耗性運動においても細胞内マグネシウムは維持され、運動のみにより冠動脈スパズムの誘因となる低マグネシウムは生じないことが明らかとなった。また、100kmにおいても心筋障害を反映するトロポニンと血清カテコラミンの間に相関を認めないことから、過剰な運動ストレスによる心筋障害発生の直接的因子ではないと考えられた。
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