研究課題/領域番号 |
13680106
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
自然地理学
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
高橋 健一 中央大学, 文学部, 教授 (40129961)
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研究分担者 |
松倉 公憲 筑波大学, 地球科学系, 教授 (80107341)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 海水飛沫帯 / 砂岩 / タフォニ / 塩類風化 / 地形場 / 海水供給量 / 青島 |
研究概要 |
日南海岸・青島の弥生橋には4基の四角錐台型橋脚があって、その側面は積石された砂岩塊に覆われている。この砂岩塊表面にみられるタフォニ様窪みは、塩類風化による砂岩塊表面の強度低下を介在した主として波浪による摩耗侵蝕により形成された。窪みの深さは砂岩塊の高度・方位ならびに橋脚によって異なる。どの橋脚でも南面の窪み深さが最大である原因、あるいは橋桁の影ができる東・西両側面の窪み深さの分布を制約する主要因は、砂岩塊が授ける日射量の差異である。しかし、窪み深さが第1橋脚(青島側)から第4橋脚(九州側)にむかって増大する橋脚による変異は日射量では説明できない。塩類風化の過程では、日射強度の他に海水供給が重要である。そこで、海水供給の橋脚による差異が、窪み深さの橋脚による差異とどのような関連を有するかを検討するため、各橋脚の砂岩塊に対する海水供給量の計測を試みた。海水供給量の指標となる波浪直撃の回数と継続時間(着水時間)の計測システムを開発し、実測に成功した。着水時間の計測結果から判明した海水飛沫帯における海水供給量の橋脚による変異は以下のようである。1.橋脚北面の海水供給量は第1橋脚で最大で、第4橋脚(九州側)にむかって減少する。これは、窪み深さの橋脚による変異とは逆比例である。2.南面の海水供給量は第2橋脚で最も大きい。これは、海水飛沫帯の窪み深さが第2橋脚で最も小さいことに関与している。3通常時の波浪は橋の北側から入射するため、海水供給量には顕著な南北差が認められる。この南北差は第1橋脚で最も大きい。これは、窪み深さの南北比が第1橋脚で最大であることと調和的である。4.第2橋脚の東西南北4側面における海水供給量は、北面で最も大きく次いで南面で、東西両面で最も小さい。これは、海水供給量の観点からみた窪み形成環境が東西両面で最適であることを示す。
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