研究概要 |
教員養成系学部の住生活関連科目をとりまく環境や授業の実態・教材開発のノウハウに関する情報などについて調査し,効果的な授業のあり方を考察した。以下の点が明らかになった。 1.教員養成系学部では,ほとんどの大学が1996年度以降に改組を実施しており,複数回の改組を経験している大学もあった。キーワードは「生活」「環境」[健康」「地域」であった。2.「住居学」担当者を有する大学は年々増加しており,いわゆる兼担教員ではなく「住居学」だけを担当している教員が増えている。3.シラバス等の書式・記載項目にはばらつきがあり,シラバス等だけからでは住生活関連科目の実態把握すら困難であった。4.改組による住居学担当教員の負担感は強かった。5.教員養成課程の授業科目名には「住居学」のつくものが多く,新課程の科目名には「生活」「環境」「設計・製図・計画」「地域」が多かった。6.開講単位数は,教員養成課程では2〜7単位が多く,新課程では0から40単位まで幅が広かった。7.授業内容として「住生活」「住み方」は住生活学における基礎・基本であり,「設計・製図」「住空間」も多くの大学でとりくまれていた。「高齢者と住生活」「気候風土と住生活」「住宅の地域性」の内容もふくらんできている。8.教員養成課程と新課程とでは,学生につけたい力にも違いがみられ,授業担当教員の負担増につながっている9.「高齢者と住生活」「設計製図(CADや模型製作をふくむ)」などの授業内容の充実が課題になっている。10.効果的に授業を進めるために「ビジュアル教材の活用型授業」「地域連携型授業(地域の専門家などと連携した授業)(地域の住宅地や福祉施設見学)」「学生参加型授業」が模索されている。 実践や教材や授業づくりのノウハウ情報を交流しながらとりくんだ授業実践を紹介した。
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