研究概要 |
図学・設計製図教育との関連において空間認識力の評価に広く用いられている心的切断テスト(または、切断面実形視テスト、Mental Cutting Test、MCT)、心理学分野で広く用いられている4種類の空間テスト(DAT(Differential Aptitude Test),PFT(Paper Folding Test),MRT(Mental Rotations Test),MPFBT(Minnesota Paper Form Board Test))、および、現在、世界で最も広く帰納的推論能力(一般知能)の評価指標として用いられているAPMテストを、理工系の大学生168名を対象に実施した。各種空間テストの得点についての因子分析、および、各種空間テストと帰納的推論能力テストの得点の相関分析を行った結果、空間認識力には二つの下位因子-空間視覚化因子(MCT、DAT、PFTに寄与大)、空間回転因子(MRT、MPFBTに寄与大)-があり、前者は帰納的推論能力と高い相関を有するが、後者は相関が低いことを明らかにした。これらの結果は、空間認識能力が階層構造を有しており、心的切断テストが帰納的推論能力と高い相関を有する高次の空間認識力を反映するテストであることを示している。
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