研究概要 |
研究成果 1.学校現場における現有設備・機器を利用した実験方法の検討 教育現場で実験を再現可能にするには,既存の設備を最大限に生かした実験システムを提案する必要があるので,県内を中心に,高等専門学校・高等学校から理科室の設備の現状・機器の保有状況について情報を収集した.その結果,現段階では実験の全過程を現場で行う試みは難しいと判断された.よって,事前に研究室でおこなったデータを利用したドライ・ラボ教材を効果的に用いることを企てた. 2.ドライラボ教材に用いる実験データ(素データ)の獲得 事前にin situハイブリダイゼーション実験を行い,教材化のためのプレパラートおよび顕微鏡写真データを獲得した. 3.ドライラボ教材の作成 教材1:F1雑種個体の体細胞染色体組をGISH法でゲノム単位に染め分けたカラー顕微鏡写真を用いて,2nの体細胞染色体組を,両親のゲノム別に分けていくプロセスで親から子への遺伝子の伝達を理解させる教材を作成し,授業実践した結果を検証し,論文発表した. 教材2;減数分裂細胞において染色体数2nの母細胞からnの娘細胞(配偶子)が形成される過程で染色体におこる分配・伝達のための動態(交叉,組み換えなど)を,異なるゲノムの染め分けが可能なGISH実験データを使って視覚的に理解させる教材を作成し,授業実践により効果を検証し,論文発表した. 4.実験解説書・実験手引き書の作成 学生・生徒の知識レベル・発達レベルに合わせ,指導する教員が使いやすい実験指導書を作成した.単なる方法論に留まらず,それぞれの実験過程の持つ意義についても丁寧に説明するものとした.
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