研究分担者 |
山口 尚 金沢工業大学, 工学部, 教授 (80064476)
小谷 勇慶雄 金沢工業大学, 工学部, 教授 (50170262)
澤田 泰明 金沢工業大学, 工学部, 教授 (80064442)
石井 晃 金沢工業大学, 工学部, 助教授 (70064475)
鈴木 雅一 金沢工業大学, 工学部, 助教授 (00064460)
|
研究概要 |
高校での学習歴の多様化,大学への進学率の増加などのため,新入生の学力は幅広く分布している.このような状況において,工科系大学では工学を学ぶための導入教育として,基礎数学・物理をいかに学ばせるかが喫緊の課題となっている.本研究は基礎数学・物理教育における新しい導入教育についての2年間の実践的な研究である.平成13年度では、金沢工業大学の1年次にモデル教室を設定し,その学生を対象に学力調査を行い研究の方向性を研究するとともに,(1)新しいテキスト,(2)新しい授業法,(3)Web教材「物理と数学の架け橋」「基礎の数学」,(4)学習支援プログラム『授業理解度向上プログラム』,(5)基礎物理の副読本などの開発を行い,それらを授業などに適用し,教育・学習手法や学習教材の研究を行った.平成14年度では,平成13年度の研究結果から,今後の導入教育の教育施策を立案するためには,全学での学力調査が不可欠であるという結論に達し,平成14年度の新入生全体(約1700名)に対し,「修学のための学力診断」という基礎数学学力の調査を行った.この調査に基づき,学力診断結果に応じたクラス分けを行い,平成13年度の研究活動の成果や新たに研究した結果を適用した授業を行い,授業終了後に学力達成度を行った.これらの学力診断や達成度調査さらには授業アンケート調査などにより本研究の成果を総合的に評価した結果,上記のような各種教育・学習手法などの施策を行うことにより,基礎数学・物理教育における工学への導入教育において所期の学習効果が得られることが確認できた.一方,学力診断や達成度調査などから,現行の導入教育の内容は全入学生に対し必ずしも十分とはいえず,研究結果に基づき新たな教育施策を検討し,本学での平成16年度から行う学部・学科改組に合わせ,基礎数学・物理の導入教育についての新カリキュラムを策定した.なお,本研究の成果は,後述の雑誌論文に発表されている.
|