研究課題/領域番号 |
13680251
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育工学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
井下 理 慶應義塾大学, 総合政策学部, 教授 (30129069)
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研究分担者 |
田部井 潤 浜松大学, 国際経済学部, 助教授 (50267861)
柴原 宜幸 日本橋学館大学, 人文経営学部, 助教授 (30327275)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | CSCL / 教授法 / Computer-mediated Communication / 協調学習 / 授業研究 / 対面コミュニケーション / 学習環境デザイン / 高等教育 |
研究概要 |
学内LANが整備され、学生全員が一定水準のデジタルネットワークのコミュニケーションスキルを習得し、日常的な電子文具としてコミュニケーション行動が成立しているような大学において、ネットワークを活用した学習環境と学習法(教育プログラムと教授法)はいかにあるべきか、ありうるかといった問題関心から研究が着手された。 具体的には、あるひとつの授業(「組織コミュニケーション」)を研究のフィールドとして、3年間ほぼ同じ条件で計画的な現場研究・授業研究を行った。学習環境としては、受講生全員に複数のメイリングリストが編成され、授業者および授業者集団のML、研究関心別の小集団ごとのMLおよびWeb掲示板が設定された。 教授法の特徴としては、学生主導型、小集団型、の授業展開を軸とした。学生による自発的な共同研究の集団作業の推進と成果発表の構成となっている。毎週1回90分の通常授業への出席参加と授業時間外のネットワーク環境を活用した協調学習活動の組み合わせを行った。 その結果、通常の対面的学習環境における行動とネットワークを活用した学習行動には連続性があり、対面的な状況における議論のスタイルがネットワークにおいても持続し、相反関係ではなく、相互作用的であることがわかった。ネットワーク環境を活用するには、学習の課題や方法、学習過程の編成方法が大きく影響することが確認された。 さらに、学習環境を構成するデジタルネットワーク環境は、教育実践だけではなく研究推進にとっても研究方法や研究者集団のあり方を規定するが、それには功罪両面があることも体験的に明らかとなり、今後のこのテーマでの授業研究をする際のアクションリサーチおよび参与観察の方法論的課題が明らかとなった。授業実践と研究遂行を同時に効率的、効果的に展開しつつデジタルネットワーク環境の高度利用には、学習集団の形成や学習目標、学習法、教授法、研究法などが重要な課題である。
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