研究概要 |
平成14年度は,平成11年度,12年度に収集した予備データと,平成13年度に収集しだデータを元に解析をおこなった。そこで得られた知見の第1のポイントは,個人の「環境調整力」を育成するためには,一人一人が自分自身の「健康情況のデータ」を継続して収集する必要があることを明らかにしたことであった。さらに明らかにした第2のポイントは,継続して収集したデータを「自分自身が振り返って解析」させることの必要性であった。そこで,これらの過程を組み込み,各自の「環境調整力」の育成に結びつけるための「視聴覚教材」も開発し,健康教育に関する「調べ学習」も設定し,総合的な教育用コースウェアとしてまとめあげた。また,平成13年度に大阪府下の小学校・中学校の教員から収集できた調査を分析した結果から「現在の環境の問題点」・「現在の教育的な配慮では不足している問題点」を改善するために必要となる教員の意識構造を高度な統計的処理によりモデル化し,教える側に必要な環境を調整する際の意識構造を明らかにし,今後啓蒙活動をおこなう際の基礎を構築した。これらの結果から,学ぶ側と教える側の両方の意識を高めさせることができ,具体的にどのようなことに気をつけることが重要かを気づかせることができたし,その内容やことがらも学ばせることができ,生涯における自己自身,及び教育対象としての子どもたちのコンピュータ活用時に基礎となる「環境調整力」の育成についての両方に資することができる研究の進展と、知見からの考察が得られた。また,実践局面としては平成14年度3学期に「大阪女子短期大学高等学校」と「大阪教育大学附属池田中学校」でおこなうことができた。しかし,児童・生徒への実践時のためのコンピュータソフトウェアの開発にあたっては,今回の研究では費用面でも機材面でも不十分であることがわかったので,今回の科研による研究と切り離して,今後研究することとなった。
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