研究概要 |
1.第1年度は,全国の家庭科主任と教務主任に対して,「学校におけるカリキュラム開発とジェンダー教育に関する調査」を実施した。調査対象は3250校、有効回収率は40.4%であった。回収サンプル数は,家庭科主任は1264名、教務主任は127名であった。 2.調査結果の主な点は (1)各学校においては,カリキュラム開発が遅れていることであった。 (2)各学校の教育課程に男女差別をなくすガイドラインを位置づけている学校は,21校1.6%にすぎなかった。 (3)家庭科の授業でジェンダーに関する教育内容を積極的に取り上げている家庭科教師は,16.2%で少なかった。 3.第2年度は,ジェンダー教育に関して,いくつかの地域の実状を調査した。その結果、教師が「隠れたカリキュラム」などに自覚して取り組んでいることがわかった。 4.第3年度は,調査結果や実状調査を元にして,生活主体形成の視点にたった家庭科におけるジェンダー・エクィティのカリキュラムを開発した。小学校(第2年度に実施),中学校,高等学校でジェンダー・エクィティのカリキュラムを授業実践でとりくんだ。小学校では,クラス担任の自覚が学級文化に影響を与えていることがわかった。中学校では,保育領域で行うとよいことがわかった。高等学校では性の教育とかかわらせて実施するとよいことがわかった。
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