研究課題/領域番号 |
13680310
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教科教育
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
朴 成泰 山口大学, 教育学部, 助教授 (50294616)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2001年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 愛国唱歌教育運動 / 近代の意味 / 讃美歌 / 小出雷吉 / 朝鮮 / 近代文明 / 芸術教育 / 洋楽普及 / 唱歌 / 韓国 / 近代 / 伝統音楽 / 儒教 / 賛美歌 |
研究概要 |
愛国唱歌教育運動の成立過程は自主独立、文明開化、民族精神、排日思想などを理念とした。このような理念は、近代国家の形成過程にも重要な役割をしたが、理念の羅列化を招く恐れが存在した。そのために、開国以来、韓国における「近代の意味」を分析した。すなわち、近代の意味を「思想としての近代」と「文明としての近代」に分けると同時に、近代韓国の唱歌教育がどのような枠組みに位置づけられるかを考察した。その結果、開国から保護条約時代に限ると、民族系学校では、抗日的・民族的歌詞、朗読風旋律が主流であった。宣教系学校では、抗日的・民族的歌詞、讃美歌旋律による替歌が現れると共に、宣教師の高い水準の音楽教育を受けて愛国唱歌も歌われた。そして、日本系学校では、公立普通学校、官立漢城師範学校を中心に、日本唱歌の替歌、韓国伝来童謡が掲載された唱歌教科書を刊行し、愛国唱歌教育運動に対抗すると共に、日本唱歌の普及に努めたことを明らかにした。このように、3系統学校の音楽教育活動を中心に、近代韓国における愛国唱歌教育運動と音楽教育成立過程を考究した。 一方、統監府における音楽教育政策の特質を解明すべく日本の対韓教育政策論を考察した。日本から対韓教育論が叫ばれたのは、日清戦争直後から見られる。それらは、駐韓公使大鳥圭介官立日語学校長岡倉由三郎など在韓官僚をはじめ、重岡薫五郎、青木寛吉など日本国内の在野論客から、日本語教育、農業教育、同化教育、学校制度などの植民地教育政策論が示された。このような論調は統監府や学部(文部省)に影響を与え、第2回教監会議以後、最初の日本人音楽教師である小出雷吉が日本唱歌普及に尽力したことを解明した。
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