研究課題/領域番号 |
13680338
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教科教育
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研究機関 | 大阪女子短期大学 |
研究代表者 |
北田 和美 大阪女子短期大学, 保健科, 助教授 (30204895)
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研究分担者 |
來田 享子 愛知学泉大学, コミュニティ政策学部, 助教授 (40350946)
田原 淳子 中京女子大学, 健康科学部, 助教授 (70207207)
井谷 惠子 京都教育大学, 教育学部, 教授 (80291433)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 女性スポーツ / 高等女学校 / 女子スポーツ奨励理念 / 女子スポーツ活動状況 / 女性スポーツ黎明期 |
研究概要 |
1,女性スポーツ黎明期にスポーツが盛んであった大阪の高等女学校3校、愛知の高等女学校1校について、体育・スポーツ奨励の理念と活動状況を調査した。 2,スポーツ活動が奨励された背景には、第一に、創設者あるいは初代からの校長の身体活動に対する積極性の大きな影響。第二に、施設面での優れた環境。第三に、熱心で専門的指導能力を有する指導者の存在という共通した要因が認められた。 3,女学生に競技スポーツを行わせる目的意識(理念)に関しては、従来からの指摘どおり、良妻賢母思想による次世代育成のための母体を強壮にする共通点がみられた。しかし、そこでの表現を詳しくみると、各校には微妙な異なりがみられ、共通する理念に加え、各校独自の道徳的価値の強調が加えられ、奨励されていったことが伺えた。 4,当時、男性中心の活動であったスポーツでは、勝利至上主義的な意識とともに、努力の価値、敗者への思いやり、自己の卓越性を目指す意識、協同の精神等が強調されていた。しかし、女子スポーツ奨励においては、身体および精神の敏活さ、今日的にいうところのコミュニケーション能力の育成、協同の精神、規律正しい身体の育成といった点が強調されていた。すなわち、同じ競技スポーツを経験する中でも、勝利を追及する競争的精神や個人の完成度を高めるための活動としての位置づけは、女性には強調されない傾向にあった。これは、女性たちの身体に「女性としての/女性らしい」感覚が植えつけられ、ジェンダー化されることと強く結びついた可能性が示唆される。 5,今回の調査活動では、周年誌のみならず、予定していたよりも膨大で貴重な一次史料が発見でき、ここでは概観を報告するにとどまった。今後、これらを十分詳細に検討し、目的とする女性スポーツ発展のための資料として、さらに活用してゆきたい。
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