研究概要 |
【目的】行動科学理論に基づく食生活教育プログラムの有効性を検討した。【方法】1)対象・期日:大阪府下の小学5年生117名(介入群),80名(対照群)。2001〜2002年2)実施授業:5学年「健康的な間食」,6学年「健康的な朝食」3)調査方法:自記式アンケート,「振り返りカード」,授業者とプログラム開発者による授業観察4)評価項目:朝食・間食行動 起床・就寝時刻 先行因子(知識,態度,セルフエフィカシィ,セルフエスティーム)促進因子(スキル,ライフスキル)強化因子(家族の食態度・行動)5)解析方法:x^2・マクネマー・t検定,有意水準5%。【結果】1)プロセス評価:(1)間食授業では,目標設定学習,間食動機の分類・理解が不十分であった。(2)朝食授業では,具体的な目標設定と手段の学習により実行できた。2)短期結果評価:(1)砂糖や油の多い間食を確認し,約80%が間食行動改善の自己評価をした。(2)高脂肪食品の健康影響を認知し,「健康的なおやつ選択ができる」というセルフエフィカシィが高くなり,低脂肪食品の選択が増加した。(3)間食摂取動機の自己分析から心理社会的要因を取りあげ,「食べる量を決める・減らす」「食べる時間を決める」と目標設定をし,約86%が目標達成の自己評価をした。(4)朝食摂取日数は6.3±1.5日から6.6±1.1日へ増加した。(5)「朝食摂取の重要性」は女子より男子がよく認識し,朝食摂取の増加傾向がみられた。(6)朝食授業介入後,家族・全般セルフエスティームについて男子は女子より高くなった【まとめ】プログラムはほぼ企画どおり実施され,知識セルフエフィカシィが高まり,目標設定学習が強化され,健康的な間食・朝食行動への変容が観察された。
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