研究概要 |
メタヒューリスティクスにおける探索アルゴリズムを自動開発に向けて,計算困難問題のひとつであるAND-EXOR論理式の最小化問題について主に研究した。扱った論理式は,任意の積項をEXOR演算子で結合したESOPと呼ばれる論理式である。 我々はまず,単純であるが計算時間の大きなアルゴリズムを実装した。このアルゴリズムは単純な変換規則をESOPに操返し適用するものである。そして,適用したルールの列を収集し,効率的に最小ESOPに到達するような部分列の発見を試みた。我々の本来の目標は,この効率的な部分列を自動的に発見することであったが,実際には,効率的な探索部分列についてのいくつかの性質を,手動で発見した。この性質を使って,新しく,高速なESOP最小化アルゴリズムを開発した: (1)提案したアルゴリズムは,すべての6変数関数に対して高速に最小ESOPを計算する。また,7変数関数の一部についても高速に最小化できる。これまで,5変数関数についての効率的なアルゴリズムはあったが6変数関数についてのアルゴリズムは知られていない。アルゴリズムのキーポイントは,探索空間の枝刈り手法であり,それは探索のパラメータについての下界,上界についての補題に基づくものである。 (2)上記のアルゴリズムをさらに高速化する手法を開発し,実験によってこれらの手法の効果を示、した。4つのベンチマーク回路,con1,misex1,rd53,sqrt8について,初めてその最小ESOPを求めた。
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