研究概要 |
知識情報処理における確率的推論機構の基礎となる複数のノードからなるグラフィカルモデルに対して厳密に解析することの可能な場合に限定し,周辺ゆう度最大化と呼ばれる統計的手法にもとづいてモデルパラメータの推定アルゴリズムへの実装とその典型性能評価を行った.その成果はPhysical Review E, vol.65, no.1およびIEICE Transactions on Information and Systems, vol.ED-65, no.3に出版されている.更に,この複数のノードからなるグラフィカルモデルに量子確率場を導入した場合の有効性を確率的画像処理に限定して,統計力学的近似解析手法である平均場理論を用いて解析し,性能の改善につながることを示した.その初歩的成果は電子情報通信学会論文誌,vol.J64-D-II, no.4およびJournal of Physics A, Vol.35,No.37, 2002に出版されている.更に,具体的な人工知能の分野における確率的推論機構に対するアルゴリズムとして知られる信念伝搬アルゴリズムをクラスター変分法と線形応答理論を用いて再定式化し,具体的な知識情報処理・人工知能の問題に適用し,高精度の結果が得られることを立証した.その成果の一部は2002年11月に横浜で開催された「計測自動制御学会システム・情報部門学術講演会2002」および2002年12月にWhistler (Canada)で開催された国際会議「NIPS*2002 Workshop on Propagation Algorithm on Graphs with Cycles : Theory and Applications」において既に公開し,更にIEICE Transactions on Information and Systems, Vol.E86-D, No.7(2003年7月)への掲載が決定している.
|