研究概要 |
本研究の目標は,各種確率的手法に対し,一般の制約解探索問題への有効性を検証することである. 具体的な制約解探索問題としては,疎行列パリティ検査符号の復号問題LD-PCCD,ならびに論理式の充足解探索問題SATを対象とした.まず,LDPCCDに対しては,Belief Propagation法とランダム局所探索法に注目しその解析を行なった.その結果,Belief propagation法に対しては,それがアルゴリズムとして優れていることを理由付けるような統計力学的な意味付けを与えることができた.一方,ランダム局所探索法に対しては,その平均的な振舞いを解析する手法を提案することができた.次に,SATに関しては,既存のランダマイズド局所探索法を解析した結果をもとに,それを改良する方法を提案することができた. また,一般の制約解探索問題の難しさについての理論的な研究も行った.その結果,解が唯一つの場合における問題の難しさを特徴付けることができた.また,SAT問題では,分布の微妙な変化に応じて平均的な難しさが大きく変わることを証明した.
|