研究課題/領域番号 |
13680402
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
計算機科学
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
西野 哲朗 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (10198484)
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研究分担者 |
富田 悦次 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (40016598)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 量子計算 / アナログ計算 / NP完全問題 / 量子コンピュータ / アナログ量子計算 / グラフの3彩色問題 / 断熱量子計算 / 計算機シミュレーション / ニューロイダルネット / 量子ニューラルネット / 量子アナログ計算 / ニューラルネット / 脳型計算 / 量子ニューロイダルネット |
研究概要 |
1985年にDavid Deutschは、量子並列計算を行うことができるTuring機械として、量子Turing機械(QTMと略記)を提案した。さらに、1994年にはPeter Shorが、QTMは任意に小さな誤り確率で整数の因数分解を多項式時間内に行えることを証明した。通常の決定性Turing機械は、整数の因数分解を多項式時間内には行えないと信じられているため、QTMは本質的に新しい計算モデルであると考えられる。そのようなわけで、多くの研究者が、量子コンピュータを物理的に実現する方法について盛んに研究を行っている。そこで、本研究では、NP完全問題のひとつとして知られている、グラフの3彩色問題を解く量子アナログ計算モデルを提案する。量子コンピュータを実現する際の問題点として、量子素子や量子ワイヤの構成の困難さ,デコヒーレンスの問題などが指摘されているため、実用に耐えうる量子コンピュータを実現するためには、かなりの技術的困難を伴うことが確実視されている。しかし、これらの問題は、量子Turing機械を、素朴な形で実現しようとする場合に生じる問題がほとんどである。そこで、発想を転換して、量子コンピュータの数学的モデル自体を本研究で提案するモデルに変更すれば、量子コンピュータ実現における上記の困難はかなり解消される。例えば、本研究で取り上げた断熱量子計算における問題解法過程は、通常の量子コンピュータのようにコヒーレント状態を保ちながら行なうのではなく、むしろモデルの状態を安定状態に陥らさせることにより行う。このような意味で、本研究で提案する断熱量子計算モデルは、量子コンピュータ研究の現状を十分に把握した上で、発想を転換して考案された計算モデルであり、世界に先駆けた独創的なモデルであると考えられる。
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