研究概要 |
本研究の目的は今後ますます主流と予想されているCMOS論理回路において,発生しやすいものの現在までのところ有効な検査法が開発されていない断線故障を検出するための検査法を開発することである,CMOS論理回路はIC内に作る場合とプリント配線板上に作る場合の2種類考えられ,同じ断線故障でも同じ検出法では検出できないため,本研究では次の8つのテーマについて研究を進めた。 1.CMOS論理IC内の断線故障検出法の開発 IC外部から交流電界を印加し,電源電流異常を発生させ,その電源電流測定で断線故障を検出する検査法を開発した。また交流電界を印加する際に電源電圧も変化させ,より電源電流異常を発生しやすくする検査法も開発した。さらに,これらの検査法のための検査入力を明らかにすると共に,本検査法の検査入力生成法を提案した。 2.ICのピン浮き検出法の開発 CMOS論理ICをプリント配線板の上に実装する際に発生するICピン浮き故障はCMOS論理回路で頻繁に発生する断線故障の一つで,現在最も検出困難な故障である。その断線故障を検出するための有力な検査法が開発されていないため,本研究ではその検査法の開発を行った。本研究ではIC外部から交流電界を印加した時の電源電流測定による検査法,交流磁界印加時の電源電流測定による検査法,電源を供給せずにCMOS ICの入出力ピンに直流電圧源を印加し,それによってそれらのピンに接続されている保護ダイオードに流れる電流を測定しピン浮き故障を検出する検査法も開発した。
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