研究概要 |
単純決定性言語の学習問題の一形式として,目的言語の主要部分である代表サンプルと名付けた例の部分集合が与えられていれば,学習者からは所属性質問を繰り返すことだけにより,多項式的に目的言語を厳密学習出来る効率的アルゴリズムを確立した.ここで,単純決定性言語は多項式的に等価性判定することが出来るとの以前の成果を巧妙に利用している. 決定性プッシュダウンオートマトンの学習に関しては,実時間空スタック受理式1カウンターオートマトンで,推移規則が各入力記号に対して一個のみ存在するモデルについて,それを明確に特徴付ける特徴サンプルを多項式サイズにおいて明確に規定する方法を確立し,それを基本として,正の例だけから更新時間・更新回数共に多項式的な極限同定学習アルゴリズムを達成した. ブール関数の内でAC^0と呼ばれるクラスに対し,その入出力例にノイズが加わった場合においても近似学習を達成するアルゴリズムを考案した.ここでは,先ずノイズ率あるいはその上界が既知であることを前提とした場合を考え,更に,そのノイズ率自身を推定することにも成功し,これにより,同ブール関数のクラスを,ノイズ率が未知のノイズ付例からでも,準多項式的に学習達成するアルゴリズムを確立した. 正則言語のある部分クラスについて,それの正の例だけから極限同定を行う学習アルゴリズムを考案し,更に,上記言語クラスを含む正則言語の幾つかの部分クラスに対して,正の例から極限同定を可能とする統一的手法を提示した. 更に,学習における概念のクラスタ化を行う,グラフ中の最大クリーク抽出に関して非常に効率的なアルゴリズムを確立し,一般化することにより,それをバイオインフォマティクス,画像処理などの幾つかの実問題に応用して有効な成果を得た.
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