研究概要 |
平成13年度は,理論・方法論を中心に考察を行い,無限性をもつファジィマルチ集合モデルや実数値マルチ集合を統一するフレームワークを提案した。他方,現状のクラスタリングモデルは,マルチ集合との整合性があまりない.このことに鑑み,いくつかのアルゴリズムを新たに開発した。これらの考察をもとに,マルチ集合モデルにもとづくファジィクラスタリング手法を提案し,その効果を検証した.さらに,マルチ集合とラフ集合との関係を考察し,そのデータベースへの応用について考察した. 平成14年度は,情報検索のためのマルチ集合モデルと情報要素クラスタリングとの関係を考察し,Web上の情報検索モデルとしてのファジィマルチ集合モデルを総合的に提示し,あわせてクラスタリング技法をこのモデルに適用する方法について考察した.さらに,マルチ集合モデルを拡張した一般的な枠組みを提示し,その理論的性質について論じた.一方,現状のクラスタリングモデルを改良するため,サポートベクトルマシンの理論におけるカーネル技法をクラスタリングに利用するためのアルゴリズムを新たに開発した.また,情報検索のためのマルチ集合モデルにおいて上記カーネル技法を利用するアルゴリズムを提案し,実際の文献集合について,その効果を調べた.さらに,マルチ集合とラフ集合との関係を考察し,そのファジィデータベースへの応用について検討を行った. 平成15年度は,これら開発したマルチ集合モデルとクラスタリング技法を文献集合に用いて,その効果を調べた.クラスタリング技法は,上記カーネル技法を利用した非線形クラスタリングの方法を確立した.また,球面を利用した情報検索・表示システムを開発し,文献集合やweb情報集合に利用して,その効果を調べた.
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