研究概要 |
人とコンピュータのインターフェース改善のためのIT基盤技術に関する研究として,以下のような3つの結論を得た。 (1)視線入力システムを構築し,同一のポインティング作業においてマウスとの操作性を比較した。視線入力システムに関しては,マウスのように操作に習熟するようになるまでには時間がかからないこと,すなわちポインティング操作にほとんど学習が不要であることが明らかになった。また,ポインティング時間に関しては,マウスの半分程度に短縮できることが明らかになった。 (2)タッチパネルの配色をいかにすべきかについて,使用すべき色の数,使用すべき色(背景色と前景色)の観点から検討した。使用すべき色と使用すべき色の数の両要因ともにタッチパネルによる実験作業の遂行時間に及ぼす影響はほとんど見られなかった。一方,タッチパネル・インターフェースにおける背景色の違いは,感性面に影響を及ぼし,背景が「灰」,「白」,「黒」の順に感性面の評価が高くなり,この結果を利用して,ユーザに好まれ易い画面設計州可能であることが示唆された。 (3)タッチパネル使用時の傾斜角度と作業効率・作業負担の関係を明らかにした。数分程度の短時間の作業では,立位作業・座位作業ともに,作業効率と見易さの観点からは傾斜角度60゜が最適であることが示された。1時間程度の比較的長時間の作業(座位のみ実施)でも,効率・見易さの観点から,60゜の傾斜角度が最適であり,作業前後の局所筋疲労を筋電図の計測結果に基づいて評価した結果からも,傾斜角度60゜の局所筋疲労誘発量が他の傾斜角度に比べて小さいことが明らかになった。
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