研究分担者 |
大蒔 和仁 産業技術総合研究所, 情報処理研究部門, 研究部門長
細部 博史 国立情報学研究所, 実証研究センター, 助教授 (60321577)
本位田 真一 国立情報学研究所, 知能システム研究系, 教授 (70332153)
磯部 祥尚 産業技術総合研究所, 情報処理研究部門, 主任研究員
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研究概要 |
本研究計画では,(1)進化型エージェントアーキテクチャのモデル化,(2)そこで基礎とするエージェントによるワークフローならびにポリシ記述言語の策定,(3)ポリシ抽出記述実験,(4)ポリシ充足性の解析手法の開発,(5)非決定性と並行性を取り扱うことのできるプロセス論理ならびにプロセス代数による形式化,の5点の研究を行った. 準化型エージェントアーキテクチャのモデルは,マルチ・エージェント・ソフトウェアを対象とし,個々のエージェント,ならびにエージェントの集団に対し,それができるかぎり充足することが望ましいポリシ記述を独立して与え,それに基づいた管理制御機構を別途与えることで,環境の変化や要求の変化に頑健なソフトウェアを提供するものである.ベースとなるエージェント・プラットフォーム(ミドルウェア)とランタイム環境としてのポリシ解析ならびにポリシ強制機構が,このアーキテクチャの核となる部分である. エージェントの基本的な振る舞いを記述するワークフロー記述は共生/寄生エージェントモデルに基づいている.ポリシ記述のためには記述言語Polaを試作している.Polaは既存のポリシ記述言語よりもエージェントへの適用を指向している.Polaはさらに交渉機構への対応を整備した上で公表を計画している. ポリシ記述実験は,情報システムならびにWebサービス連携における情報漏えいの検出と防止等に加えて,企業内業務システムにおけるネットワーク管理ポリシ(故障からの迅速な復旧)なども併せて行った.ポリシ解析のためには,タブロー法による義務論理検証系の試作と,ポリシのカラーペトリネットへの変換と解析を試みた. プロセス代数による形式化と上記の研究成果との完全な統合は,今後の課題である.
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