研究分担者 |
加藤 伸子 筑波技術短期大学, 電子情報学科・電子工学専攻, 助教授 (90279555)
石原 保志 筑波技術短期大学, 教育方法開発センター(聴覚障害系), 助教授 (70212917)
村上 裕史 筑波技術短期大学, 電子情報学科・電子工学専攻, 助教授 (20219900)
皆川 洋喜 筑波技術短期大学, 電子情報学科・電子工学専攻, 助教授 (00273285)
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配分額 *注記 |
4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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研究概要 |
伝送技術や画像圧縮技術の進歩ならびに高速ネットワーク回線の整備に伴い,テレビ電話やテレビ会議システムを用いた遠隔地間での手話会話が可能になってきた.しかし,現在,一般に利用可能な回線の帯域幅では,まだ,十分な画像品質が確保されていないために,聴覚障害者の画像通信時のストレスの高さや不満も報告されている. 我々は,ビデオ信号を用いて十分な画像品質を確保した実験を通して,遠隔地手話通訳システムにおけるインタフェースの改善による効果やシステムの可能性を検討した.さらに,検討結果を基に,実用システムを試作し,実際の他大学ならびに大学院の授業を受講する聴覚障害学生への支援実験を行ない.システムの実用性についても検証した.本研究において,以下の内容がわかった. 1.遠隔地から手話通訳を行う場合には,支援する相手の上半身映像だけではなく,会話場面では会話している様子を映す全体の映像を,そして講義場面では講師の映像など複数映像を手話通訳者に示すことが効果的であることがわかった. 2.遠隔地手話通訳システムにおいては,手話通訳者ならびに聴覚障害者ともに互いの視線の一致に対する要望が高く,なるべく視線の一致が可能になるようなカメラ位置が重要であることがわかった. 3.複数の映像を映像品質を落とすことなく転送するためには,転送する複数映像を一画面の中に合成して送ることが現実的な方法であり,授業などの状況にあわせて必要な映像を主画面に切り替えるようなシステムが効果的であることがわかった. 5.遠隔地手話通訳では,手話通訳者は通常の通訳場面と異なり,正面に講師映像など様々な資料を見ながら通訳を行なうことができるという利点がある.さらに,専門用語や固有名詞などのキーワードをリアルタイムで表示するような支援システムが通訳を行なううえで効果的あることがわかった. 6.遠隔地手話通訳システムの成果は,通常の手話通訳場面への支援や聴覚障害者へのエアロビクス授業などへの情報保障など様々な応用が可能であることがわかった.
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