研究概要 |
平成12年度まで実施された特定領域研究「アルゴリズム工学」の成果を元に、より実務的な計算困難問題、特にサプライ・チェイン最適化において必要とされる組合せ最適化問題について研究を行った。近年その重要性が叫ばれているサプライ・チェイン最適化の中でも特に、在庫配送計画、機械スケジューリングについて研究を行った。研究の目的は、既に開発された基礎的なアルゴリズムと現場で必要とされている実務的なソフトウェアをつなぐものとして現場で役に立つアルゴリズムの開発を開発することである。 在庫配送計画に関しては,需要変動が予測可能なものとして組合せ最適化問題としてモデル化し,それに対し高性能ヒューリスティックを提案し計算実験により十分実用的かつ強力なものであることを確かめた.実例を元にした問題例で計算実験し,従来の手法に比べ約30%の費用削減を実現することを確かめた.これは次世代の意思決定支援システムのエンジンとしてすぐにでも使用可能なものである。機械スケジューリングに関しては、特に資源制約付きスケジューリングモデルが多くの実務的問題を内包することに着目した。その上で、工場で必要とされる個々のスケジューリングと理論的に研究されている資源制約付きスケジューリングをつなぐものとしていくつかの概念的ガジェットを作成しそれをもとにして問題を帰着する方法を開発した.手法の有用性を確かめるため実際にスケジューリングソフトウェアを作成し,計算実験によりその有用性を確かめた.他にもロットサイズ決定問題や自動販売機コラム割当問題や混載輸送ネットワーク設計問題に対し,従来からの基礎的成果を実務につなぐためのアルゴリズムを提案し計算実験によりその有用性を確かめた. これらの成果は投稿論文や国際会議・国内発表で発表した.
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