研究課題/領域番号 |
13680540
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会システム工学
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
中山 弘隆 甲南大学, 理工学部, 教授 (20068141)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 企業リスク / 機械学習 / 能動学習 / 追加学習 / 能動忘却 / サポートベクターマシン / RBFネットワーク / DEA |
研究概要 |
投資や融資等の金融活動において、企業の信用リスク(倒産する危険性)を適切に評価することが重要である。本研究の目的は、財務データ等の定量的データや人事方針・経営管理者の能力等の定性的データをもとに、計算知能と多目的決定理論の適用によって、当該企業の信用リスクを適切に評価した上で、ある程度のリスクは許容しながら最大限の利益をあげようとするリスク管理のシステムを構築することである。まず、計算知能による信用リスク評価のためにサポートベクターマシン(SVM))の適用を行った。企業の信用リスクを評価するための倒産データベースにおいては、倒産企業の割合はきわめて少ないというアンバランスがあり、適切なリスク評価が困難である。そこで、SVMにおける主要な特徴の一つであるマージン最大化に対し、スラック変数と同時に余剰変数も導入して多目的最適化やゴールプログラミングの技法を適用することにより、カテゴリ間のアンバランスを解消する方策を開発した。ルール明確化として、SVMによって、数多くある非倒産データのうち本質的なデータをサポートベクターとして定め、その後ラフ集合論の手法を適用することにより、偏りのないルールを抽出することを試みた。つぎに、企業を取り巻く経済環境は時々刻々変化するが、このような環境の変化に対応して適切にリスク評価を行うためには、計算知能に追加学習を取り入れる必要がある。しかし、追加学習だけでは決定ルールが複雑になる一方で汎化能力の劣化を引き起こす可能性があるので、現在の状況に不必要なデータを見いだし削除するという忘却を行う必要がある。本研究ではSVMに追加学習と忘却を適切に行わせる手法を開発した。上記の手続きによって、その根拠が明確となったルールが抽出される。しかし、リスクは本来どのような活動にも伴うものであり、リスクを避けるだけでは積極的な活動を行うことはできない。このため、リスクを許容しながらも最大限の利益を上げるようにつとめる必要がある。これはリスク管理と呼ばれているが、本研究では先の計算知能によるリスクの評価結果に対し、積極的なリスク管理を行い高水準の利益を上げるために、これまでに開発してきた一般化包絡分析法(GDEA)を適用することにより、リスクとリターンを総合的に判断した評価を行い、総合的にバランスのとれた決定を行うことを可能にする。
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