研究概要 |
本研究では回転共鳴ヘリカル磁場を用いてRFPプラズマの回転を駆動し,抵抗性壁不安定性(RWM)を安定化できるかどうかを実験的に調べた.STE-2RFP装置においてSS放電容器のみでRFPプラズマを生成し,MHDモードの振る舞いを調べた.ピンチパラメータΘが低い(Θ<2)場合にはポロイダルモード数m=1,トロイダルモード数n=8,9モードの磁場揺動成分が真空容器の時定数程度で成長し,Θが高い(Θ>2)領域ではm=1,n=3,4モードが成長することが観測され,それぞれ抵抗性壁テアリングモード,抵抗性壁キンクモードと同定された. 真空容器の外側に共鳴回転ヘリカル磁場発生用のヘリカルコイルを設置し,RFP放電中に振幅が一定の回転磁場を印加するために,これまでのLC減衰振動回路に替えてIGBTを用いてパルス発振器を製作した.臨界摂動磁場レベル(摂動磁場振幅/周辺ポロイダル磁場【approximately equal】0.4%)を越える回転磁場を印加するとm=1磁場揺動は外部回転磁場の方向に回転し,またm=0磁場揺動(トロイダル磁束揺動)の回転も外部回転磁場の方向に依存して影響を受けることが観測された.摂動磁場レベルが0.6%を越えると回転磁場の印加による共鳴揺動成分の振幅の減少,超高Θ領域(Θ>2.5)の出現など,放電特性への影響が観測された.特に,摂動レベルが1%程度になると共鳴揺動成分が外部磁場と同じ速度で回転し,振幅が30-50%程度減少することがわかった. 以上,本研究により,外部回転共鳴ヘリカル磁場を用いて抵抗性壁テアリングモードを安定化できる可能性が示された.
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