研究課題/領域番号 |
13680571
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
核融合学
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
渥美 寿雄 近畿大学, 理工学部, 助教授 (70192979)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 黒鉛 / 炭素材料 / 水素 / プラズマ対向壁 / 拡散 / 捕獲 / 放出 / 昇温脱離 / 核融合炉 |
研究概要 |
プラズマ対向壁としての黒鉛、および炭素系材料について、核融合炉環境下での水素リサイクリング、ならびにトリチウムインベントリを評価するため、気相水素の吸収実験、水素イオン照射した試料、および気相で水素吸収させた試料からの水素昇温脱離実験を行い、得られたデータをもとに、水素移動機構、欠陥との相互作用解明に関する検討を行った。補助金の交付を受けた4年間に、1)黒鉛中への水素吸収プロセスの詳細、2)水素捕獲サイトの解明、3)吸収および放出挙動のモデル化とコンピュータシミュレーション、4)カーボンダストの水素吸蔵試験を実施した。1)では、水素吸収の際に2段階の吸収プロセスが存在することを確認し、これらが、初期に起こる黒鉛の結晶子粒界拡散、および時間が十分に経過して起こる結晶子内の層間への拡散移動であることをつきとめた。また、速度論的解析により、1段階目のプロセスは拡散律速で、2段階目のプロセスは、結晶子エッジ面での解離反応律速であることが確認できた。2)においては、結晶子エッジ面に整列して存在する不飽和炭素原子と黒鉛結晶子内の層間に存在する孤立した不飽和炭素原子が捕獲サイトであること、また結合エネルギーはそれぞれ2.6eVと4.45eVであることを求めた。しかし、実際の粒界を通じての移動に1.3eVという活性化エネルギーを持つプロセスが存在することも分かった。3)では、イオン照射や気相吸収させた試料からの水素昇温脱離実験のさまざまな文献データについて、このモデルを適用してシミュレーションを行ったところ、多くの実験データと非常によく一致し、その放出挙動を動的に評価することが可能となった。4)では、本来水素吸収が低い熱分解黒鉛がダストとなった場合には、バルクの約10倍の水素吸蔵量となることがわかった。このことは、核融合炉実機内の水素リテンション評価には、ダストの性状の評価が必要なことを示している。以上、この研究課題での学会発表は13件、論文発表は10件(うち投稿準備中が1件)であった。
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