研究課題/領域番号 |
13680582
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
エネルギー学一般
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研究機関 | 福井工業大学 |
研究代表者 |
村橋 俊明 福井工業大学, 工学部・電気電子工学科, 教授 (10329451)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 固体高分子電解質 / 電気泳動 / 固体高分子型燃料電池 / 水輸送 / WATER MANAGEMENT / DIFFUSION |
研究概要 |
2年間の研究期間のうち、H13年度は(1)加湿条件と単セルの特性との関係(2)単セルへの加湿水蒸気の精密測定法の確立を行い、H14年度は(1)Electroosmosis効果の文献調査(2)Water transport実験とその解析を行った.H13年度の成果としては両極のうち片方あるいは両方を無加湿とした場合のセル特性の安定限界を理論的予測と比較して良い一致を見たことと凝縮法による水蒸気量の精密測定法を確立したことである.H14年度は前年度の成果を受けて本格的に水の移動問題に取り組み、以下の成果を得た. (l)electroosmosis現象およびそのelectroosmosis coefficientの評価についてはすでにZawodzinskiらによって研究されている。彼らは水に浸漬した状態での測定からプロトン1個あたりの水分子の数を14と評価するとともに水の蒸気にさらした場合には2.5という数値を得ている。しかしこれらの値は実際のPEFCの動作条件とは異なっており、現実の動作環境のもとでの評価が重要と考えられる。また、上記の著者らによる実験データをベースにした表式が作られそれが広く用いられていることから、より正確な評価が必要である。 (2)高性能加湿器を用いてPEFCの単セルを用いてDC電源を印加した場合としない場合、さらにカソード側にドライ窒素ガスを入れる場合、加湿窒素ガスを入れる場合、など条件を変えて測定した。実験の過程において水の収支が大きくズレルことなどの問題に遭遇したりもしたが実験装置の改良で改善することができた。実験結果の数値を用いた計算によればnetのelectroosmosis coefficientは0.21(セル温度80℃、加湿温度70℃、電流密度0.5A/cm2,)が得られた。現在、さらに解析を進めてnetの水の移動量からelectroosmosis coefficientとback diffusionの大きさを分離すること、さらに実際の動作条件下でこれらの物性がどのように変わるかについて解析を進めている。これらの結果によって実用化が進められているPEFCの特性シミュレーションに貴重な知見を提供できる。成果については研究期間内には学術雑誌に投稿するにはいたらなかったが上記解析を進めて早急に投稿する予定である。
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