研究課題/領域番号 |
13680597
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
青木 繁伸 群馬大学, 社会情報学部, 教授 (90134527)
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研究分担者 |
可知 直毅 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (30124340)
石川 真一 群馬大学, 社会情報学部, 助教授 (80251015)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 帰化植物 / オオブタクサ / 生活史 / 生長解析 / 菌根 / 窒素態 / ストレス耐性戦略 / 進化 / 光環境 / 温度環境 / 発芽 / 可塑性 |
研究概要 |
1.帰化植物オオブタクサの生長および菌根形成に対する窒素態比の影響解析 群馬県内の分布北限で、低温環境である水上町に自生するオオブタクサ個体群と、南部の伊勢崎市の個体群より採取した実生個体を、異なる土壌窒素態比下で栽培して、生長解析および菌根形成率の計測を行った。その結果、前年までの同等の実験により得られ結果と同様に、水上に自生するオオブタクサは、伊勢崎のオオブタクサよりも相対生長速度が遅いことが確認された。これらの結果は、栽培時の気温や日照条件など年ごとに変化する環境要因によらず、水上のオオブタクサの相対成長速度が遺伝的変異として低くなっていることを示唆している。また、水上の個体については、アンモニア処理区における相対成長速度は硝酸処理区のそれと同等となった。すなわち、水上という高アンモニア比地域において、本種がアンモニア耐性を獲得していると考えられる。以上より、生活史戦略としては攪乱地依存型戦略と競争型戦略を併せ持つとされる本種が、低温・高アンモニア比環境下に生育することにより、ストレス耐性戦略を獲得する方向に進化しつつあることが示唆された。 オオブタクサの菌根形成率は、採取地および栽培時の窒素態比によらず、無施肥区とも有意差なく、すべての区で70%前後と高い値を示した。一般に菌根形成は貧栄養条件下で高く、富栄養条件下で低下するされる。これに対して本研究の結果は、オオブタクサは富栄養条件下でも菌根菌との共生に成功するということを示しており、本種が富栄養条件でさらに勢力を拡大する一因となっていると考えられる。 2.生活史要素の時系列統計解析手法の確立と、新・植物個体群動態モデルフレームの構築 生活史要素が時系列要因であることを前提とした統計解析方法を確立した。また本研究で得られた結果について、この解析手法を適用して、その有効性を検証した。さらに以上の結果をもとにして、植物個体群動態が、確率過程たる生活史要素から構成されるという構造を持つ、数学モデルのフレームを構築した。
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